コミュニケーションとコミュニティ

先週の土曜日、ひなまつりの日に無事に保育園の発表会が行われました。年明けから、保護者会と先生方との間で懇談会が開かれるなど、ゴタゴタがあったのですが、そもそもの発端がこの発表会だったのです。

毎年土曜日に開催されていた発表会を、今年度から赴任された新園長が平日開催としたことがきっかけとなり、保護者らが四月から感じていた不満や不安がどっとでてきたのでした。

街の園から来られた園長が、いままで通りの感覚で、ごく普通にやっていたことが、田舎の私たちには違和感があった…というのが真実なのだろうと思います。去年までと比べて、先生方とのじかのコミュニケーションが減り、その分、温かい雰囲気まで感じられなくなった…と私たちは感じていました。

合理化簡素化効率化時代の流れなのかも知れません。でも去年までは、園長が数少ない保護者全員に「発表会はこの日にしようと思うんですが、どうですか?」と声をかけてくださっていたのです。

地域のお年寄りを招く毎月恒例の行事も、去年までは子供たちが各自、近所のお年寄り宅を訪ねプリントを手渡し、「来てください」と誘っていましたが、今年からは老人クラブ会長に園長がお知らせをするだけとなり、結局、行事は形骸化して、実際には殆ど行われなくなりました。

懇談会個人面談を開催してもらい、先生方と話し合ったことで、発表会は地域のお年寄りや未就園児の方もお招きして、土曜日開催となりました。「毎年、おひなまつりには三色だんごを持って保育園に行ってたのに、今年はなんの連絡もない」と心配していたおばあちゃんにも、園長から電話を入れてもらい、発表会の休憩時間にみんなで三色だんごをいただきました。

わざわざ電話をしたり、声をかけたり…面倒なことかも知れませんが、こんな過疎の地域では、ひとりひとりじかにコミュニケーションすることが大切なのだと痛感します。なんでもない会話の積み重ねで、も深まり、信頼関係ができていく。「合理的に、効率的に」では成り立たないのが人間関係です。

この面倒臭さが「田舎」の嫌なところだと思う方も多いでしょうが、これがコミュニティの力になるのだと思います。関わるということは、協力しあうこと。地域のおばあちゃんたちが子供たちのことを気にかけて、温かく見守ってくださることを、ありがたく思います。

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