ぶっくらこい~た

3月のこの時期に雪が降ったから、びっくらこいたわけではない。
子供が好きな「かいけつゾロリ」のセリフなのだ。

この間から、保護者会の会長さんと卒園式の相談をしていたのだ
が、料理の注文も記念品の購入もほぼ終了し一安心していた。
ところが、きょうの夕方、領収書をもって現われた会長さんが浮
かない顔で話し始めた。

頼んだ寿司折とオードブルの内容を変えた方がいいのではという。
確かに、いい案だったので、お店の人にその旨を伝えればよいだ
けだと思ったら、彼女にとってはそうでないらしい。私も賛成
を表明しているのに、ああだ、こうだと一生懸命考えている。

そしてついには、カバンの中から紙を取り出した。なんと、そこ
には彼女が考えた寿司折とオードブルの絵が色つきで描かれてい
た。おおっ~、ぶっくらこい~た! 私は驚嘆と笑いの声を抑え
る余り苦しくなった。

「そ、それ、いいですよ。それ見たら、イメージがすぐにわかり
ました。これで決まりですね!」と精一杯まじめな顔で言ってみ
たが、彼女はまだ暗い表情だ。「でもぅ…」。地元のよく知って
いるお店の人を相手に、こんなこと言いづらいと言う。うるさい
ことを言う客だと思われたくないらしい。

(じゃあ、最初からそんなこと言い出すな~!)と思いながらも、
「もう、私、ここ二、三日ずっとこれで悩んでいて…」という彼女
を見たら、「私が言ってあげましょうか?」と言ってしまった。
私は別に、出されたものはなんでも食べるから、予算さえオーバー
しなきゃ、どんな内容でもいいんだけど。

あ、でも肝心の彼女のリクエストの内容、全然頭に入ってない!
いい加減に話を聞いていたからな~。 妻の話を聞いていない夫
の気持ちがよくわかりました。

でも、なにごとも一生懸命な彼女の姿に打たれましたよ。あとで、
笑いすぎて涙が出たけど。

hondnkst

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