フィンランドからのクリスマスカード

学生時代のペンパルだったフィンランドの女性から、今年も
クリスマスカードが届いた。お互い同年代で、同時期に結婚
して、キャリアウーマンだった彼女も出産・育児休暇をとっ
て家庭に入り、すでに五年が過ぎた。今では娘さんがふたり
いる。

もう何年も筆不精の私に対して、彼女は必ず一年間の出来事
を書き綴った手紙と家族の写真とともに、クリスマスカード
を送ってくれる。

今年は年初からお母さんの具合が悪くなり、原因がはっきり
しないまま苦しみ続けたお母さんは、ようやくいい医師と
病院に出会って、適切な治療を受け、痛みから解放された後、
先月、息をひきとったそうだ。

また、彼女自身もようやく年初に職場復帰したものの、すぐ
に大規模リストラで失職し、その後、求職活動を始めたもの
の、いまだに職がみつからないという。

五年間のブランク、40代という年齢、そして幼い子供をふた
り抱えているという事実が障害になっているらしい。しかも、
現在、職についていないことから、子どもたちも保育園に入
れないのだとか。

フィンランドといえば、理想的なワークライフバランスが実
現し、福祉制度も充実し、IT産業が発展し、教育にも成功し
ている国だと思っていたが、手紙に綴られていたのは、日本
の女性たちと同じような悩みだった。

多少の差はあっても、現代の社会が抱える問題は基本的に普
遍的なのだろうか。遠い国の友人が、急に身近に感じられた。
彼女にエールを送るため、早くカードを書かなければ!

fri14dec07

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