びわ湖畔に暮らす翻訳家の物語
こっそり渡した携帯電話でほぼ毎日電話をして
いた母だったが、冬休み中は私たちが毎日顔を
見に行っていたので、その習慣が止まってしま
った。
やっと同室の方が変わって状況も改善して気が
抜けたのか、私たちがこちらに戻ってからは携
帯も鳴らなくなっていたのが、ようやく昨日か
ら復活。
母の様子を見に行ってくれる友人から聞いては
いたのだが、最近は体が衰える一方で、寒さも
堪え、布団にくるまり昼間から寝ている時間が
増えたらしい。友人が病院に行ったときに、母
に電話をかけさせてくれたようだ。
とはいえ、声は前よりしっかりしているし、新
しく同室となった方もよい方なので、すっかり
落ち着いている感じ。心安らかなのが一番。
切ないけど、ほっとした。
＊夕暮れ時の高野川
息子は朝一で年末に冬期講習を受けた塾まで
終了テストを受けに行った。その間に私は実
家の片付けと荷物の準備。
お昼前に大量の荷物を車に積んで出発。軽く
お昼を食べて、母の病院にちょっとだけ顔を
出すと、なんと、同室の人が入れ替わってい
た。裏技が効いたに違いない。実はきょうは
母の誕生日だったので、いいプレゼントにな
ったかも。
出発前に自宅エリアに大雪警報が出たことを
知り、焦って地元のママ友に連絡したら、ま
だ雪は全然降っていないとのこと。それでも
なるべく早く到着したい。幸い、高速は空い
ていて、通常より早く着いた。峠を越えると
ちょうど雪が降り始めたところで、もしかし
たら明日の朝には大雪になっているか？
ぎりぎりセーフで帰宅しました。ほっ！
＊病院近くの山の岩に「火の用心」の文字発見！
＊SAから見た夕日。広島が遠くなる～！
昨晩、夫はこちらに戻ってきた。きょうはいつもの
ように三人で母と父の顔を見に行った。
父は私たちを三人組として認識していたので、昨日
は最初のうち戸惑って、「誰じゃったかいのう？」
と訊いてきた。名乗ると、「あんた、いっつも三人
じゃったじゃないか」と言うので事情を説明したら、
「ほじゃあ、きょうは誰が運転するんか？」と心配
してくれた。
偶然にも従姉が来てくれたので、ふたりで立ち話を
していたら、父は立ち上がって、自分の椅子を従姉
に勧めた。「性格は変わらんねぇ」とふたりで納得。
きょうは再び夫の顔を見て、父も安心したようだ。
さて、きょうは冬休み中、最後の広島の夜。何を食
べるか迷った挙句、みんなの意見は「大戸屋」で一
致。ずうずうしくクーポン券も使い切ったぞ！
＊母の病院の裏
実は夫は二日の夕方から単身、自宅に戻っている。
本来なら、年末年始は休みもなく忙しいはずなの
だが、ここ数年は部署が変わったためにこんなラ
ッキーな冬休みを過ごしている。でもやっぱり、
お正月の仕事のお手伝いがあるので、二泊三日の
出張（？）となった。
息子はやっと宿題の書き初めをして、読書感想文
用に本を読むと言い出したが、あいにく図書館は
まだ休館中。（マンガが原作の本は、ダメらしく、
ちゃんとした文学作品を捜したかったよう…）
私の方は、諸事情があり、母の部屋替えを病院の
事務の方や先生にお願いしてみたのだが、病院側
にも事情があり、難しそう。ここは裏技を使うし
かないか…。
なるべく穏やかな気持ちで入院生活を過ごしても
らいたい。
12日サイクルで2日間の天中殺日は誰にも等しく訪れる。私にとっては、きょうと明日が天中殺日。前回の天中殺日にスリップ事故を起こしたため、きょうは朝から警戒モード。
今朝は母の病院がある内陸部の隣市も、さらには広島市内まで雪が積もったらしい。友人からのメールやテレビのニュースで白銀の景色やスリップ事故の模様を見た。幸い、実家のある当市では寒いけどお日様は出ている。雪なんて、まずあり得ない場所なのだ。母の病院には、内陸部の雪がとけるのを待って、午後に行くことにした。
ところが…昨晩ちょっと気になっていた車のブレーキパッドが異様な音を立てるではないか。明日は友達に会いに島までドライブするつもりなのに…。焦って実家近くの自動車工場に行くも、大晦日の大掃除中。仕方なく、母の病院に向かい、私たちが母を見舞う間に夫が近くのガソリンスタンドに出向いて行った。
ラッキーなことに部品もあったので、その場ですぐに交換してもらうことに。整備士さんは気になる箇所を夫に親切に教えてくれて、料金も最初の見積もりより安くがり、感謝感謝！
これで無事に年が越せそうです。
＊うちの辺りは晴れてるんだけど…。
母の病院に行くと、同室のおばちゃんがあまりに
キョーレツで、しかもずっと聞き耳たてているの
がわかるので、言いたいことも言えず、みんな何
となく不機嫌になって、どっと疲れてしまう。
何とか部屋を替えてもらえるよう、頼んでみなけ
れば…と帰り道に夫と話し合う。
父の老人ホームに到着すると、ほっとする私たち。
父は先日のニワトリに続き、きょうは「イタチを
大切にせんといかん」と話し出した。そして、
「あんたら、来ても来んでもええんよ。ここに来
てもすることないし、バカになるけぇ」と笑うの
だ。で、毎回30分近くたつと「はよう帰りんさい。
お世話になりましたのぅ」と自ら見送ってくれる
のだ。いやぁ、ホントに淡々としている。
んで家に帰ると、WiiFitに勤しむ。なかなか面白
い！（台の上でコーフンして大声だしている私を
見て、夫と息子が大笑いしている…。）
＊きょうも晴れ！
天気が下り坂と言ってたような気がするが、朝
になるとやっぱり快晴。これが瀬戸内なのだ。
お昼にテレビをつけたら、NHKの『のど自慢』
の舞台裏を紹介する番組をやっていた。普段は
のど自慢など見ないのだけど、実は先日、息子
の担任がのど自慢に出演して、特別賞をもらっ
ていたことが判明したので、思わずテレビにか
じりついて見てしまった。おっ！先生の姿を発
見。ちゃんと確認できました。
午後からは父を母の病院に連れて行った。ふた
りが顔を合わせるのは2ヶ月ぶり。父は母の痩
せた足をさすりながら、「冷たいのぅ、寒うな
いんか？」と心配していた。（思えば、自宅で
元気に過ごしていた頃から、父はソファで母の
足をよくもんでいたのだ。）
母は父の元気そうな顔を見て、安心したらしい。
一方、父は帰り際に「ありゃあ元気がないのぅ。
はぁ長うないじゃろう」と冷静にコメント。母
に会うと、いたってまともな父に戻る。それで
も気落ちするでもなく（これは昔から）、帰り
の車中で栗ようかんを渡すと、ぺろりと食べた。
淡々と生きる――この姿勢は見習いたい。
今朝いちばんに起床した息子は、何事もなかったかの
ように居間にいた。「あれ、プレゼントに気づいてな
い？」と心配になり、さりげなく訊いてみたら、しっ
かり玄関はチェックしたけど、「お父さんが買ったん
じゃないかと思うものが、ふたつ置いてある」と言う。
ええ～っ、なんだって～。「なんでお父さんが買った
とわかるの？」と訊いたら、「あれくらいの箱が昨日
から家の中においてあった」という。う～む、夫は息
子が怖がって立ち入らない上階の部屋に隠していたら
しいのだが…。
自分宛のプレゼントとは確信が持てず（しかも人生ゲ
ームじゃなさそうだし）、手をつけられなかったよう
だ。結局、WiiとWiiFitであることが判明し、私はわ
ざと「わ～、嬉しい。もしかしてお母さんが欲しいと
思っていたのが伝わったのかな～」と喜んで見せたが、
息子の満足度は「60％」だとか。そろそろサンタさん
の存在に疑問を持っているのだろう。
さて、病院の母を見舞ったら、さすが孫パワーのお陰！
昨日とは比べものにならないほど元気になっていた。
気持ちの問題って大きいのだなぁ。
老人ホームの父も、昨日の私たちの訪問で久々にたく
さんお喋りしたのが刺激になったのか、今朝は壁のカ
レンダーにメモまでしていた。（手が震える上に、目
もぼやけてきたので、今では字を書くこともなくなっ
たのに！）そんな意欲が出たこともすごいのだが、な
んといってもメモの内容がすごい！！
12月23日に「ニハトリ3羽、同泊要求。問題発生」と
書いてあるのだ。父の頭の中を巡る鳥人の物語！？
涙が出るほど笑ってしまった。
＊実家のある海辺の街と違い、母の病院がある街は
内陸部の盆地のため今朝は霧がたちこめた。
息子は今朝からいきなり冬期講習。夏休みに
お世話になった先生方と再会して楽しかった
ようだが、その後、病院の母を訪ねたら、元
気ではあったけど、それでも前より明らかに
衰えていた。本人もこのまま、ここの病院で
死ぬまでお世話になるのだろうと覚悟して納
得していて、なんとも切なくなった。
夕方、老人ホームの父を訪ねたら、こちらは
いたって元気で、私たちのこともわかってい
た。けれど昨晩おかしな夢を見たのか「ゆう
べは、ニワトリを抱えた人たちがやってきて、
布団の中にニワトリを入れるんじゃ」と語り
始めるではないか。先日のM1で100点をとっ
た笑い飯の「鳥人」の話を思い出し、大笑い
してしまった。
だが両親のいない実家で迎えるクリスマスイ
ブはやはり切ない。息子は今年もスポンジケ
ーキにクリームを塗ってイチゴを飾った。
今年はサンタさんにお願いするプレゼントが
最後まで決まらなかった息子のために（とい
うより自分が欲しかった？）、夫はこっそり
WiiとWiiFitを買っていたので、夜中に一緒
に包装をして玄関に置きに行ったら、息子か
らサンタさん宛てのカードを発見。そこには
「人生ゲームがほしい！」と書いてあった。
ガクッ！（実は事前調査では昔風の「知恵
の輪」と理科の実験道具も候補だったのだが）
喜んでくれるかなぁ？？
