長寿DNA(?)

この土日で父の顔を見に3人で広島に帰った。新幹線&レンタカーなので、車中で爆睡できた(!!)。実は急ぎの仕事も持って来ているのだ。

我が家は実家に帰ると、たいてい最初のご飯は父のホームのすぐそばの大戸屋で食べる。あるいは街中のショッピングセンターのお店に行く場合も。私と夫は、毎回、そのときの気分で、なるべく違うメニューを頼むのだが、息子は決まって「マグロの漬け丼」を注文する。

これ、実は大戸屋に限らない。息子は外食の場合、それぞれのお店でほぼいつも同じメニューを頼むのだ。家での食事も、ごはんと味噌汁があれば、あとは文句を言わない。野菜炒めがあれば嬉しいらしいが、たくさんのおかずを出されても、残してしまう。いつも決まった定番メニューが一番落ち着くらしい。さらに食べすぎはしない。どんなに好物でも、「もう、いい」と止められるのだ。

この性質(?)、まさに私の父譲り。しかも、ゆっくり噛んで時間をかけて食べるのも、父にそっくり。このこだわり、この偏屈加減、素直でない対応・・・もう、すべてが父と同じだ。着るものも定番があり、季節に関わらず白い下着のシャツと靴下を必ず着用。流行なんて、気にしない。

もしかしたらこれ、長寿の秘訣かも知れない。98歳の父の遺伝子を息子は引き継いでいるのかも。

それに比べて、つい食べ過ぎる私ときたら・・・。

*これが息子の定番、マグロの漬け丼。
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「人が死ぬということ」

夏休みの最終日。息子は夜になって、やっと学校の宿題を仕上げた。夏休みの宿題に親はどれくらい関与するべきかわからないが、私は“見るに見かねた”ときだけ、アドバイスや指示を与えている。それをすんなり聞いてくれることは滅多にないけど。

今年は自由研究課題は二つ。これを最後の数日でやろうというのだから・・・。結局、選択肢の中からすぐにできそうな作文と書道を選んだものの、作文にかなり手こずっていた。テーマは昨夏の祖母の死だ。いつもいい加減な作文を書いていたので、今回はちゃんと下書きをして、推敲をしてから、清書をするよう指導したのだが、最後の結びとタイトルをどうするか、悩みに悩んでいた。そして出来上がったのが、「人が死ぬということ」という2000字近い作文だった。

そういえば、この前の土曜日、泊まりの仕事に行っていた夫が、深夜にメールをくれた。正確には日曜の午前1時近く。母が亡くなったのは、去年の今くらいだったねと。そういえばそうだったなぁ~と、線香をたいて、こうやって思い出してくれている夫に感謝した。

実は母の葬儀で、家族の中で泣いたのは夫だけだった。父も私も息子も、不思議と涙は出なかった。夫と母の付き合いは10年ちょっとだったけど、母は一目見たときから夫のことが大好きだった。「自分が産んだわけでもないのに、わが子のように可愛い」と私に言ったことがある。夫は私よりも、ずっと賢くて、頭がいいとも常々言っていた。

考えてみれば、母は幸せ者だった。入院するたびに、優しい夫が(95歳頃までは)毎日、病室まで看病に来てくれたし、葬儀では娘の婿が本気で泣いてくれたのだから。孫はいまだにその死が実感できないようだが、そのことについては、いまだにいろいろ考えているようだ。

とりあえず新学期の準備完了!

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一周忌法要

母の一周忌法要のため、きょうの午後、再び広島に向かった。今回は一泊二日なので、車での移動はきついだろうと新幹線で往復することにした。現地ではタクシーを使おうと言っていたのだが、菩提寺もけっこう遠いし、今朝になってレンタカーを予約した。うまい具合に実家近くのGSで1台だけ軽自動車が空いていた。

到着したのが夕方で、しかも雨が降り出したので、レンタカーを頼んでいて本当によかった。おかげで父の老人ホームの面会時間にも間に合ったのだが、父はテレビの『水戸黄門』に夢中で、話しかけても殆ど反応してくれない。昔から『水戸黄門』が大好きで、必ず最後は「よかった、よかった」と涙ぐんでいたもんなぁ。ま、元気な顔を見られただけでもよかったかな。

*霊園のある山から瀬戸内海を望む。
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陸の孤島

本当は昨日中に自宅に帰ろうと夫が計画していたのだが、夜遅くなると体力的にもきついので、ゆっくり寝てから今朝、出発することにした。

うまい具合に行きも帰りも、お盆渋滞にひっかかることなく、順調にドライブできた。とはいえ、けっこう時間はかかる。実家のある瀬戸内海沿岸の街は、昔から「陸の孤島」と呼ばれていたらしい。(今回、実家で市政だよりを読んで初めて知った。)確かに今も、新幹線や高速道路から離れているため、かなり不便。

高速道路につながる自動車専用道は、いまだ建設途中。今は片側一車線の国道しかないので、渋滞も多いし、土砂崩れなどで不通になることもある。「こんなところに道路を作ったら、一体いくらかかるのだろう?」と思うようなところだけど、早く完成してほしいなぁ。(と、何年前から言い続けているだろう・・・)

午後に無事に帰宅したものの、夫は仕事関係の催しに夕方から顔を出し、遅くに帰ってきた。明日からいつも通りの出勤なのに・・・お疲れさんです。

*道路工事中!
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あちらの世界

山道をドライブして、霊園にたどりついた。すでに大半のお墓はお参りがすんで、浄土真宗・安芸門徒特有の盆灯篭が一面に立ち並んでいる。三人で墓参りをして、いつもの友人宅でコーヒーをいただき、高校野球を見て盛り上がり、帰りに老人ホームに立ち寄った。

このところ父は前よりいっそう、眠そうにしている。話をしても、半分眠りかけていることが多い。とっても穏やかなのだが、表情も前より少し変わってきたように思う。なんというか・・・半分、あちらの世界にいきかけているような、そんな雰囲気なのだ。こうなるのが、自然な老いの姿なのかしら。

気持ちよさそうに目を閉じている父を見ると、ちょっと羨ましい気がした。こういう境地に、私も行きつけるだろうか?

*霊園の奥の奥までいくと、瀬戸内海が望める。
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初盆

広島に帰省している同級生から連絡があったので、今朝は私だけ電車に乗って、広島駅ビルで同級生としばしの再会を果たした。いずれ親がいなくなっても、実家を手放したとしても、やっぱり広島に帰って来たいと強く思う。

午後は両親の菩提寺まで初盆の法要に。実は私たちがここを訪れるのは初めてのこと。夫とご住職はすっかり馴染みになっているのだが、きょうは奥様と初めてお目にかかり、帰り際に雑談していたら、なんとご住職の親友のお寺が夫の実家の近所だと判明。つい10日ほど前にも、そこに行って来たところだという。なんとまぁ!

塔婆を持って老人ホームに寄り、父に見せたら、しっかりと母の戒名を音読してくれた。最近の父は、母が亡くなったことさえ忘れていることが多いのだけど、塔婆を見て思い出してくれたことと思う。「明日、お墓参りしてくるから」と伝えて、きょうは別れた。

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悪気のない人(Part2)

昨日に続き、夫はきょうも仕事だったが、ちょっと早めに帰宅して、三人で広島に向かった。母の初盆のためだ。

実はこの間、ある親戚から、お盆はいつ帰省するのかとメールがきた。母にお供えをしたいからと。そのときは、まだスケジュールが固まっていなかったのだが、15日&16日は実家にいると返事をした。それなのに12日に、実家の事務所を使って下さっている会社の方から、「大きなお花が届いているので、うちで預かっておきます」と連絡がきた。なんでか知らないけど、その親戚から12日配達指定で届いたらしい。

彼女はとっても心優しく、いろんな人にプレゼントしたり、あれこれ親切にするのが好きなのだが、ところどろこ抜けているところがあって、善意のつもりが結果的に相手に迷惑をかけるというパターンが非常に多いのだ。善意とわかっているから、迷惑かけられた方もストレートに怒れない・・・というのが、さらに迷惑というか、なんともトホホなことが多い人なのだ。

14日からお盆休みに入った会社の社長さんが、せっかくの花が枯れないようにと、お水をたっぷりかけて、冷暗所に置いてくださったお陰で、今夜、私たちが実家に到着したときもお花はきれいに咲いていた。

彼女には、これまでこういう迷惑(!?)を何度かけられてきたことだろう・・・と、母も苦笑しているかも知れない。
トホホ・・・。

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*去年、母が(深夜すぎに)亡くなったあと、葬儀場に泊まった私たちは、疲れもたまっており、ゆっくり朝寝坊できるのはこの日だけとぐっすり熟睡していたのだが・・・朝6時にピンポーンと、この親戚が「朝ご飯を持ってきました」と現れた。中身はコンビニで買ってきたもの。葬儀場の近くにはコンビニもあり、私たちには車もあったので、どうせなら自分で好きな朝ご飯を買いに行きたかった・・・。それよりも何よりも、もう少しゆっくり寝かせてほしかった・・・というのが本心。その時も、彼女らしいな~と唖然としたのだけど。

悪人も必要?

実は昨日、父の老人ホームの施設長さんから、父がこのところ日に一度程度、不穏になるので、主治医の先生と相談して新しい薬を処方したいと言われた。ご家族の前ではそんな風にはならないので、わからないでしょうが・・・というお話であった。不穏と言っても暴力を振るうわけではなく、頑固に言うことをきかず、大きな声で怒鳴るということらしい。

私が言うのもなんだけど、うちの父は非常に精神の安定した人で、よっぽどのことがないと怒ったり怒鳴ったりしない。また、私が記憶する限り、水戸黄門以外で父が泣いた姿を見たことはない!頑固だけど、いつも穏やかな人だ。それだけに母が入院したことで、突然、老人施設に連れて行かれた日はかなり不穏になったらしい。(初日は私も広島にいなかったのだ。)その後も、しばらくの間は不穏になることがあり、私も心を痛めたのだが、このホームに来てからは落ち着いて、安心していたのだ。

施設長さんは、父の認知症が進行しているのだろうとおっしゃる。骨折を機に車椅子の生活になったので、思うように動けないもどかしさもあるのかも知れない。けれど、素の自分を見せられる家族の前では不穏にならず、一日に約1回だけ不穏になるというのは、やはり何か理由があるのでは・・・と思ってしまう私。自分の思いが通じなかったり、不快なことに対する反応ではないかと。

そんなことを思っていたら、きょう、私の面会中に父がちょっとだけ不穏になる場面を目撃してしまった。父が「便所に行きたい」と言うのでスタッフの方に伝えると、年配の女性スタッフがいらして、車椅子の父をトイレに連れて行って下さった。私も一応付き添ったのだが、熟練のスタッフらしく、ひとりで手際よく介助して下さる。ところが、すべての行動が速すぎて、父は自分がトイレまで来ているのか確認できないらしく、車椅子から立ったはいいが、便器の上に座ろうとしない。便器が見えていないので、落ちると思って怖がって座らないのだ。しかし、女性スタッフは何度も「はよう、座りんさい」と無理やり父の肩をおさえる。すると父は「やめんか、やめんか」と大声を出した。私が横から「便器の上じゃけ、大丈夫よ。座っても大丈夫」とやさしく声をかけ、無理やり座らされた格好の父に、「もう、おしっこしてもええんよ」と話しかけた。

便器に座るまでの父は、かなり大声を出して抵抗していた。本当は私も、「もう少しゆっくり、父のペースに合わせてやってください」と言いたかったのだが、ぐっとこらえた。彼女に特に悪気はなく、ベテランだけに、効率的に仕事をこなすことが優先されて、彼女なりの手法が確立されているのだろう。父が不穏になるのは、こういうスタッフに当たったときかも・・・と想像する私。

なぜなら、あの神様のような男性スタッフの前では、いつも父は機嫌よさそうにしているのだから。とはいえ、さっきのベテラン女性のようなきついスタッフも必要悪なのかも知れないと思っている。というのも、先日、神様のような男性スタッフが新人スタッフを連れて、父の体重測定に来たことがあった。「立ってみて」と優しく言われた父は、両脇をふたりのスタッフが支えてくれるものだから、甘えて体重をかけてしまい、どうしても体重計の上にしっかり立てなかった。ところがきょうはトイレで用を足した後、あのベテラン女性に「はい、立って!」ときつく言われると、さっと立ち上がって、しっかり手を洗ったのだ。

父が嫌な思いをしていたり、余計な薬を飲まされるのだとしたら、不憫なのだけど・・・人間、どんな場所で暮らしても、いい人、悪い人、好きな人、嫌いな人の両方に出会うのは仕方のないこと。長く生きてきた父ならば、これが人生だと達観してくれるだろうか・・・。仏壇に手を合わせ、しっかり父を見守ってくれるよう、母にお願いしてみた。

*今度こそ、瀬戸内海!
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老人ホームの日常

父は殆ど車椅子の生活になったとはいえ、顔色もよく、日中はほぼ自室を出て老人ホームの皆さんと過ごしている。長年、両親の世話をしてくれた友人も、先日、父の様子を見に行ってくれて、「いい老人ホームに入れて、よかったね」と言ってくれた。

前回、父の頭にチュッをしてくれた男性スタッフは、いつ見ても感じよく、どのお年寄りに対しても愛情こめて接してくださる。きょうも、あるおばあさんが、「私、ここで寝起きするのかしら?」と別のスタッフに尋ねた。見た目も若く、話し方もしっかりしている上品なおばあさんなのだが、しばらく様子を見ていると、視界に入るすべてのスタッフに同じ質問を延々と繰り返している。たいていのスタッフは他に用事もあるので、「ほうよ、ここで寝起きするんよ」と優しく言って立ち去るのだが、このお兄さんは違う。「ほうよ、ここで寝起きしようるよ」と答えると、おばあさんは「私、ここに住んでるのかしら?」と不思議そうに質問する。「ほうよ、もう3年以上になるかね。○○さん、ここで僕らとずっと一緒におるじゃない!」と笑顔で答える。その間に別のおばあさんが不穏になると、やさしく肩に手をかけて、どうしたのかと尋ね、「あ、耳そうじしようか? 気持ちええよ」と、おばあさんの耳そうじを始める。今度はデイケアから戻ってきた別のおばあさんが通り過ぎるときに声をかけ、「□□さん、もう部屋に帰るん? 寂しいじゃない、こっちでみんなとおったらどう? 今、耳そうじしようるけ、□□さんもどう? はい、次、予約したよ。じゃあ、ここに座っといて」といった具合。その間も電話が鳴ると、席をたって応対しに行ったりと、かなり忙しいのだが、行動は素早いのに言動には焦った感じがまったくなく、誰に対しても笑顔なのだ。(うちの息子にまで対応してくれる!)

他の若いスタッフの方々も、皆さん、いつも明るい笑顔を絶やさず、やさしいのだが、このお兄さんはほんとに別格。職場のストレスがないはずはないだろうに・・・。私には神様のように見えてしまう。

ところで、きょうは前述の友人宅に息子とふたりでお邪魔して、彼女の手作りランチをご馳走になり、午後は息子の夏休みの宿題のお手伝いまでしてもらった。家庭科の宿題として、運動会で着用するハッピを手縫いで作るのだが、私は裁縫が大の苦手。実家には道具も揃っていないので、彼女のお宅で場所と道具を借り、さらに指導までしてもらって、息子は夕方まで大奮闘。あともう少し残っているけど、ほぼ形はできあがった。

その間、私たちはお茶してお喋りしていたのだが、別の友人から「国会中継を見ていたら、腹立たしくてたまらない」という内容のメールがきた。何があったのかと思いきや、菅総理は外国人からの献金を返金した際の領収書を国会に出さないと言ったのだとか。(それって、つまり「3月14日に返金した」という答弁が嘘だとバレるからだよね? 3月9日に保土ヶ谷のパーキングエリアでこっそり返したって話が、本当だったってことかな。)それから、拉致被害者家族会の増元さんが参考人として、「横田早紀江さんは、『何を信じていいかわからない』と言って、吐き気がするほど具合が悪くなった」と発言されたとか。

北朝鮮の工作員と疑われても仕方のない人が、この国の総理大臣をやっているという事態に、誰も本気で立ち向かわないのか・・・。老人ホームのあのお兄さんを見習いたいと思いつつ、怒りがふつふつと湧き起こってしまう私。せっかくハッピーならぬハッピを作っていたのにね。

*友人宅でいただいたランチ!
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広島ならでは。

朝方、暑くて寝苦しくて目が覚めたら、夫はとっくに起きていて、なでしこジャパンの試合を見ていた。私も一緒にテレビにかじりつき、久々に感動した! ついでに、なんだかすっごくエネルギーが湧いてきた。

父に別れを告げてから、三人で久々に電車に乗り、広島駅へ。お昼は私の友人&娘さんと待ち合わせて、五エ門のお好み焼きを食べた。広島滞在中に、一度はお好み焼きを食べなくては気がすまないのだ。

台風が近づいているせいで風が少し強くなってきたが、雨は降っておらず、広島駅ではきょうの阪神戦の応援グッズを販売していた。兵庫県の友人から、雨が降っているというメールがきたので、関西に到着したときのことを考えて、急遽、カープ応援グッズの傘を1本購入して新幹線に乗り込んだ。

案の定、駅に降りたら土砂降りだったので、夫がまずはカープ傘をさして家に戻り、その後、車で迎えに来てくれた。(いつもありがとう!) 

それにしても、やっぱり広島は雨が少ない! きょうのマツダスタジアムのナイターで、カープは負けてしまったようだ。こんなことなら、雨で中止になってればよかったか!? 

*五エ門のお好み焼き!
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