鑑真和上とヨン様

数年ぶりに奈良を訪ねました。80歳を過ぎた伯母の見舞いが目的です。思いのほか元気な姿に安心しましたが、そうとう愚痴がたまっていたらしく、私の夫を連れ出し、ひとしきり喋っていました。私に言っても笑われるだけだからと。(たしかに。)

さすがに夫がかわいそうになり、そろそろいいだろうと助け舟を出しに飲み物をもっていき、冬ソナの話題を出したら、伯母の表情がぱっと明るくなりました。そして、またひとしきり喋る、喋る。冬ソナ20回は見たそうです。巷には50回も見た人がいると聞いて驚いていたけど、私の身近にも似た人がいたなんて。(しかも血縁者!)伯母はベッドに横になり、顔の下にハンカチを敷いて見るのだそうです。涙をいちいち拭わなくてもすむように。しかし、伯母と話を合わせるために冬ソナを見たというお嫁さんが、気の毒でした。

せっかく奈良まで来たので、近くの唐招提寺も訪ねました。私は何度も来ていますが、夫とオランダの友人は初めて。以前、ここで初めて鑑真和上像と対面したとき、思わず「よくいらっしゃいました」と、感動がこみあげたことを覚えています。そのお姿を見るだけで、涙が浮かぶなんて、鑑真和上ヨン様くらいかも。

しかし夫にとっては、とんだ一日だったことでしょう。せっかくの休日、しかも自分の誕生日なのに仏像を見て、おばあちゃんの愚痴を聞いて…これじゃ、普段の寺生活と変わらない!しかも長い道のりを運転させて…お疲れ様でした。ありがとう!
寺

お正月に広がる友達の輪

食べ物をどっさり抱えて、友達が泊まりに来てくれました。当分、料理しなくてもよさそうなくらい。食べて、飲んで、喋って、冬ソナ見て、また喋って…。こんな夜更かしは久しぶり。

偶然にも、彼女とオランダの友人は人生の二度の転機を同じ年齢で迎えていました。そして今年はふたりとも、大きな一歩を踏み出す予定。ふたりの決断に、心からのエールを送ります! こうやって、それまで知らない同士だった友人たちが仲良くなっていくのも嬉しいこと。
前の晩のカラオケと、夜通し喋ったせいで、私の声はガラガラとなりました。
おせち

みんなで鍋パーティ(&オランダのお菓子、ドロップ)

きょうは、友人たちを招いて、みんなで鍋を囲みました。久々に会った友人は、4日続けて虹を見た話をしてくれました。一番すごかったのは、飛行機から見た「虹の輪」だったとか。雲の上に、虹のリングが浮かんでいるんですって!

が、しかし、やがて話は冬ソナに。日本語の殆どわからないオランダの友人まで、第一話を見ただけでのめりこみ始めているのです。(と、無理やり見せてる私!)<家にテレビを置いていない友人夫婦に、まるで新興宗教の勧誘のように冬ソナの魅力を語り続ける私たち。(そう、私だけではないのだ。)

さて、おいしい鍋と、お土産にいただいたおいしいケーキといちごを食べたあと、オランダの友人が持ってきてくれたかの国のお菓子、ドロップをみんなで試食。ゴムを噛んでいるような感触とアニス系(?)の匂いが私はダメ。見た目はごらんの通り可愛いのですが。これを初めて口にした友人たちの顔も、見ものでした。
ドロップ

思いを馳せる(年賀状を書いてます)

やっと年賀状を書いています。年賀欠礼のハガキが前より増えたような気がするのは、私自身が年を重ねている証拠でしょうか。
そして、年賀状を出せない友人・知人にしばし思いを馳せています。特に、番狂わせの思いがけない死に直面した友人のことを思うと、胸が痛むばかりで、言葉を失います。

年賀状を書けない友人にこそ、この休みの間に心をこめて手紙を書こうと思います。

*by Kojiro Kisaka
kojiro