猫をかぶった運転手さん

今朝いちばんで整体の方が来てくださった。私が通って
いる近所の美容師さんに紹介された、かつてこの地域に
住んでいらした、おそらくは同年代の女性である。

美容室でも毎回、喋り倒してしまう私だが、最近は整体
師さんとも毎回、どんどんお喋りがはずんでいく。きょ
うは整体がすんでも、ふたりでアイスコーヒー飲みなが
ら、さらにお喋りをしてしまった。

と、整体師さんの携帯が鳴り、大きな男性の声が電話か
ら漏れ聞こえた。その様子から、てっきり彼女の帰りを
待っているご主人かと思ったら、実はスクールバスの運
転手さんだというのでビックリ。昔から仲良くしている
という整体師さんは、「面白い人なんですよ」という。

この運転手さん、見た目は若いけど、恐らく50代後半の
独身で、人はよさそうなんだけど、無口で無愛想。こち
らが挨拶しても、会釈するだけで声を出すことはまずな
い。近所の娘さんなどは、まだ小さい頃、彼とバスでふ
たりきりになると怖いと言って、先生に一緒に乗っても
らっていたくらい。

そんな運転手さんにも、うちの子はかまわず話しかけ、
たまに反応があると、私も「おおっ! 運転手さんが笑
った!」などと影で喜んだりしていた。つい数日前も、
息子が忘れものをしたまま、バスを降りようとしていた
ら、運転手さんは無言のまま、顔と手を椅子の方に向け、
息子に知らせてくれた。そんなに喋るのが嫌なんかい?
と、私は思わず吹き出しそうになったのだが、その彼が
実はこんなに大声で明るく喋る人だったのだ!

人間って、わからないものだ。

うちの夫だって、家の中では、あんなくだらないことや、
こんなふざけたことばかりをやっている人間とは、外で
は誰も思っていないに違いない。
 
*赤トンボ、赤トンボの羽をとったらあぶら虫!?
11sep08

“猫をかぶった運転手さん” への2件の返信

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