従姉からの電話

母は姉妹の中でも、一番年の近い姉と仲がよかった。見た目も性格も似ていなかったけど、そこはやはり姉妹なのか、亡くなったときの姿は互いにとてもよく似ていた。それは私だけでなく、伯母の娘である従姉も思ったらしく、最後に母を見舞ってくれたときも、あとで「亡くなる頃の母親に似ている」と悲しそうにつぶやいていた。

子育ても一段落して働き盛りの従姉は、今は仕事に忙しく、それでも親戚の不幸があれば、いつも連絡係となり、遠方に暮らす私の代わりに香典を持って行ってくれたりと、いろいろとお世話になっている。

忙しい従姉なので、たまに連絡があるとしたら、最近は親戚の訃報ということが殆ど。しかもよっぽどのことがなければ携帯電話は使わない人なのに、今夜、その従姉から携帯が鳴った。

「また誰かが亡くなった?」とドキドキしながら電話をとったら、なんのことはない、「さっき美容室で家庭画報を読んでたら、●●という料理屋さんが紹介されてたんだけど、これが前に言ってたご近所さん?」という話。メディアの記事って、やっぱり影響力があるのだ。

「仕事が一段落して、広島を離れられる時間ができたら招待します!」と約束して電話を切った。ああ、ビックリした~。

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