人違い

きょうは一日ずっと雨。
こんな日はまじめに仕事をするに限る。
と、故郷の友人から久しぶりに電話があった。

私の実家近くで私と同じ苗字の高齢男性が交通事故で死亡した
という記事を地元新聞で見た別の友人が、私の父ではないかと
心配して、彼女に連絡してきたという。
下の名前も年齢も違うはず、と思いつつも友人は確認のため電
話をしてくれたのだ。

人違いだと笑い話ですんだので、その後、つもりにつもった話
に花を咲かせた。故郷の言葉で喋るのは楽しくて、つい長話。
そして、ふたりの友人の気遣いに感謝した。

お昼すぎに実家の母に電話するのが、ここ10年以上の私の日課
となっているが、きょうは珍しく父が出た。母はいつもの病院
に出かけて留守だった。友人からの電話の話をすると、父は
「そう、最近、同じ名前の家が近くに何軒かできたんじゃ。」
と言ったあと、こう付け加えた。「そりゃあ、死んだことにし
て、香典もろうたらえかったかのう~。」

こういう性格だから、長生きなのかも。
40数年前に結核療養所に入った以外、一度も入院したことがな
い―というより、ほとんど医者の世話になったことがないのは、
すごいと思う。父、91歳!

*写真は近くでみつけたふきのとう。

fukinoto

助け合い

子供から、春分の日は20日で、21日は振り替え休日だと
訂正された。ほんとだ。すみません。

さすがに春だなあと感じるきょうこの頃。
朝7時半からピンポーンと、近所のおばちゃんが採れたて
のほうれん草を山のように持ってきてくれた。
昨晩は寝る前にお弁当の準備をしていたら、台所の壁を
小さなムカデが這っていた。今年初めてのムカデ!
私は恐怖のあまり、今まさに寝ようとしていた夫をゆり
起こし、外に出してもらった。(お彼岸中でもあり、特
に殺生はいかんのです。しかもムカデは弁天様のお使い
だとか。)
気がつくと、カメムシが飛んでいるし、暖かくなったの
だと実感。

夕方は、帰宅した夫に連れられ、隣の集落のおばちゃん
の家で雪囲いの撤去作業。ひとり暮らしのおばちゃんに
は、普段からお世話になっている。

こんな風に、協調性&社交性に欠ける私でも、少しずつ
地域に馴染んでいくのだろうか。この連休中に、自治会
の正式メンバーになるよう、会長さんからお話があった。
行事のお手伝いなど仕事も増えそうだけど、トータルで
考えたら、私たちがお世話になっている割合の方が圧倒
的に高いので、少しでもお返しできたらいいな。

トンネルひとつ分、下ったところにあるおばちゃんの家
からの山の眺めも、いつもと違って新鮮だった。

坂下

春分の日

まさに春! 雲ひとつない青い空!
こういう朝は、気持ちよく掃除・洗濯に励める。

パソコンを開くと、パリに赴任したばかりの友人からメールが
きていた。10年以上前にパリで知り合った彼女が、今回は三人
の子供さんと一緒に計五人でのお引越し。前回のパリ生活とは
勝手が違うだろうが、そこはやはりパリだもの。魔法の時間を
楽しんでほしい! もう長いこと会っていないし、お互い遠く
離れているのに、そんなギャップを感じることなくメールをや
りとりできるのが嬉しい。何年先のことになるかわからないけ
ど、いつか再会を果たして、ゆっくり喋りたいなあ。

と思っている間に、友達を迎えに行って、一緒にランチ。
食後はお土産にいただいたチーズケーキを食べながら、喋る、
喋る。ビデオを見ている子供にときどき「うるさい」と怒られ
ながら、喋る、喋る。

午後遅くに、友達と一緒に老人ホームのイーデスさんと、その
近所の友人宅を訪ね、また喋る。帰宅後、夕食とお風呂をすま
せ一息ついたら、懐かしい友達から電話があって、またまた喋
る、喋る。気がついたら、喉がかれていた。

気持ちいい天気と、おいしい食べ物と、すばらしい友人たちの
お陰で、なんと楽しい一日だったことでしょうか。
時を越えて、海を越えて、年齢や国籍も超えて、私たちは結ば
れているのだなあ。

18

命の輝き

昨晩の結婚パーティからの帰り、この辺りの気温は-3℃と
なっていた。まだまだ寒い!

きょうは昼前から、子供にせがまれ、街のショッピングセン
ターまでウルトラマン・ショウを見に行った。
命の大切さを訴える、妙に熱いショウだった。あまりにセリ
フが臭くて、聞いているだけで恥ずかしい。と思っていたの
に、最後にちょっと胸が熱くなったのはなぜ?

「命の輝き」という言葉を何度も聞いた。

お彼岸のお勤めを終えて、普段より少し早く帰宅した夫から、
地震のニュースを聞いた。地震も感じなかったし、テレビも
見ていなかったので、驚いた。

地球も生きている。
私たちも心して、日々、命を輝かせなければ!

ultra

春の門出

昨日は一日雨だったのに、今朝はうっすらと雪!
だが、空は晴れ渡り、雪はあっという間に消えていた。
きょうは友人の結婚式。すばらしい青空だ!

夕方から、鴨川沿いのカフェでお祝いのパーティに
参加した。若くて、お似合いのふたり! 式もパーティ
も、全部ふたりの手作りという感じだ。

ケーキはふたりが普段通っているお風呂屋さんからの
プレゼント。息子さんがケーキ屋さんなのだという。
ふたりの日ごろの生活、人柄が感じられて、ほほえまし
い。

結婚式とか披露宴といったものに、まったく興味がなく、
こういったことはなんにもしなかった私たちだが、人様
の結婚となると、妙に感動する。いや、感動しすぎる質
なので、敢えて自分たちではやらなかったのか。

新婦は体が細すぎて、サイズの合うウェディングドレス
を探すのに苦労したと聞き、これも私が式をやらなかっ
た理由かも、と納得。私の場合は、体が太すぎて…なん
だけど。

若くて、美しい新婦に乾杯! 

wp

なにが違うのか。

おとといに続いて、一日体験パスタ教室に行こうと思った
のに、人数が少なくてキャンセル。
まじめに仕事をしろということだな、と思い直し、パソコ
ンに一日向かった。

とはいえ、ときどき考え事。このところ、長年つきあいの
ある年上の知人のことを考えている。彼女は不幸な生い立
ちや不遇を乗り越え、すばらしいキャリアを築いたが、ど
ういうわけか、やっとのことで手に入れた地位を追われ、
再び一から出直し、今はできるかぎりの物欲も捨て、新た
な人生を歩もうとしている。
その努力、ひたむきさ、真剣さ、強さ…どれをとっても、
私には真似できないもので、彼女は常に私の尊敬の対象だ。

ところが、彼女はいまだに、これでもか、これでもかとい
うくらい辛い目に遭ったりする。周りの人間に傷つけられ
る。それがどうしてなのか、私にはわからない。

人間的に彼女よりかなり劣っている私は、つらい思いや、
ひどく傷つけられた体験はしていないというのに。少なく
とも、最近、そんなことはない。

いったいなにが違うんだろう?
世の中にはわからないことが、たくさんある。

nism

雨の音

久々に雨の音がする。
ああ、雪じゃないんだ…と春を感じる。
根雪が融けたあとに、ふきのとうが顔を出している。

きょうは久しぶりにイーデスさんと会い、彼女がご主人
と毎週のように通っていたという京都のレストランで
ランチをした。実は、私も新婚当時、夫とランチをした
思い出の店だ。

昔のこと、昨日あったこと、そして文学や詩の話など、
たくさんの話を聞いた。詩人であり、長年、大学で文学
を教えていた彼女に、こうやって話を聞ける私はラッキ
ーだ。

彼女の指定席となっている窓際のテーブルで、疎水の桜
並木を眺め、花が咲いたらさぞかしきれいだろうと想像
しながらも、おいしそうなデザートを写真に収めてしま
った「花より団子」の私。もちろん、食べてもおいしか
った!

帰り道もまだ雨は止まず、山々から霧が立ち上る景色は
まるで水墨画のようでした。

リボーン

一日体験パン教室

ホームベーカリーの食パンを食べている私だが、
機械ではなく、手でこねたパンの味はどの程度
違うのだろうかと、チラシで見た体験パン教室に
参加した。

集まったのは私を含め、六人。中華料理屋をやっ
ているというおっちゃんが唯一の男性で最初から
いろいろ口出しして、雰囲気をかき乱したり、和
やかにしたり。
先生が「全卵を…」というと、「えっ、裸になる
の~?」「“ん”まで聞いてくださいね~」。
出た、おやじギャグ~!

でも、さすが中華屋さんだけあって、パンをこね
るのは上手かった。

不器用な私も、独学でパン作りに励んでいるとい
う女性と組んだお陰で、いいパン生地ができまし
た。う~ん、もしかして、私も家でパンを焼ける
かな? 

*アーモンド・ブレストを作りました。

pan

高慢と偏見

昨晩のNHKの『英語でしゃべらナイト』にコリン・ファースが出た。
眠くてたまらなかったので、ビデオ録画して、きょうどきどきしながら
インタビューの模様を見た。彼が話すのを聞くだけで、うっとり!
(たとえ意味はわからなくとも!)

大学時代に『アナザー・カントリー』を見て以来、私は彼の大ファンな
のだ。彼の主演したマイナーな映画もビデオも、必死で探して見たもの
だ。(ときめきアムステルダム、ひと月の夏、アパートメント・ゼロ、
恋の掟)

その彼が日本でもよく知られるようになったのは、やはり『ブリジット・
ジョーンズの日記』のマーク・ダーシー役なのだろうか?(今回の来日
もこれの続編映画のプロモーションのためらしい。たぶん初来日のはず。)

が、なぜ彼の役名がダーシーかといえば、それはイギリスで高視聴率
をとったテレビドラマ『高慢と偏見』のMr.ダーシー役を彼が演じた
から。このドラマはNHKでも放送され、これを録画したいがために、私
は正月からビデオデッキを買い換えた。

私がジェーン・オースティンの『高慢と偏見』を読んだのは、大学生
のとき。英文学を専攻する友人に薦められて読んだ数少ない英文学作
品だが、これにははまった。私たちが読んだのは、新潮文庫の『自負
と偏見』の方。これを読んだあと、私たちはひとしきりMr.ダーシーを
演じさせるとしたら、誰だろうと話し合ったものだ。当時の私は、ス
パンダー・バレエのトニー・ハドリーを憧れのMr.ダーシーと重ね合わ
せていた。

後年、憧れのコリン・ファースが憧れのMr.ダーシーを演じていると知っ
た私が卒倒しそうになったのは言うまでもない。不覚だった、そうか~、
そりゃコリン・ファースだよな~と、見る前から妙に納得した。

実際に作品を見ると、あのアナカン時代の繊細なコリンが年相応に
恰幅もよく老けていたのが少しショックではあったが、相変わらず
の高貴な雰囲気に確かな演技力、そしてなによりもあの声はまった
く変わっていなかった。ああ~、あの声を聞けるだけで幸せ~。

インタビューを受けるコリンを見たのは、きょうが初めてだったが、
イギリス人らしいシニカルなユーモア・センスといい、すべては想
像通りだった。声って、大事だよね。

*きょうはずっと曇り空だったので、昨日の写真をMr.ダーシーのために!

uraya

年なのか・・・

今朝も凍りついてます。
息子は水溜りの氷をすべて壊そうと、校庭中を駆け回りました。

近年、昔懐かしい人との交流復活が続くのは、私が年をとった
ということでしょうか。
昨日も、10年以上音信不通となっていた昔の同僚からメールが
届きました。

その前に、仕事でお世話になっている方から、彼女に会って、
私の名前を出したら懐かしがっていたので、アドレスを知らせ
ていい?というメールがきていたのです。
去年も、この方の本を送ってくれたのが昔の同僚だと判明し、
メールでの交流が復活しました。
といっても、東京の人たちはかなり忙しそうで、そんなに頻繁
なやりとりはできませんが。

田舎に引っ込み、家の中でパソコンに向かって仕事をする生活
のせいか、それとも自分の性格のせいか、新しい友人はなかな
かできませんが、昔の同僚や大学の同級生など、古い友人たち
との交流復活は嬉しいものです。そう思うと、年をとるのも悪
くない。
とはいえ、田舎での仕事生活も、遠方の旧友たちとの交流もネ
ットあってこそ、でしょうか。

氷はあっという間に融けて、春ももうそこまでと感じます。

水溜り