2016年のアニメ映画が話題になった時に初めて知ったこの作品、見たいなあと思いつつ、そのままになっていたら、このたびドラマ化されて、TBSの『日曜劇場』で7月15日より放送が始まった。こうの史代さんの漫画が原作で、2011年にも日本テレビでドラマ化されていたらしい。
西日本豪雨の甚大な被害が連日、報じられる中でのドラマ開始。久しぶりに広島弁のドラマを見て、懐かしさに駆られた。江波、草津、呉、広…懐かしい地名の数々。しかしあろうことか、私は初回の最初を見逃してしまったので、その後、毎週録画に設定。これで安心して最後まで見られるはずだ。
水道のある広島から呉の高台の家に嫁いだ主人公は、毎朝、近くの井戸で水を汲んで運ぶことになり、慣れない作業に四苦八苦する場面があったのだが、今も断水が続く地区では、この暑さの中、さぞ大変だろうと考えてしまう。給水の水は、臭いがあって調理にはなかなか使えないらしい。呉市内でも、断水がまだまだ続きそうな地区が、いくつか残っているし、道路や鉄道の復旧は今年後半、あるいは来年まで、かなり時間がかかるらしい。そのため、今、通行できる道路はいつも渋滞していて、移動の時間が読めないのだとか。
被害が広範囲すぎて、テレビが報じた被災地はほんの一部。日に日に全国ニュースで報じられる時間も減っているので、遠くにいると様子がわからないのだが、私の生まれ故郷もけっこうな被害が出ているらしい。テレビでは一切報じられなかった気配だけれど。
ちなみに『この世界の片隅に』の作者、こうの史代さんは、広島市の出身で、年代も私とわりと近い。実は数日前から夢中になって読んでいる本の作者が、私と同世代の広島県出身の作家(男性)なのだが、偶然にも夫がいま読んでいる本の作者も広島県出身(の女性)で、男性作家と同い年であった。
なんだか、寝ても覚めても広島の日々。広島を引き寄せているのだろうか。(ちなみに、少し前に近所のスーパーで買ったおいた味付け海苔を開けたのだが、これも広島の矢野の会社だった。)
そして、このタイミングでの『この世界の片隅に』のドラマ開始。通常の生活に戻るにはまだまだ時間がかかりそうな被災地でも、このドラマを見て励まされている人が多いのではないだろうか。