毎週月曜の夕方は、子供と一緒に車で20分ほどの友人宅に行く。この過疎地区に引っ越す前の保育園で知り合った友人だ。
まだ50代前半の彼のおばあさんはイギリス人で、古い日本家屋
を上手にリフォームして、何年もかけてすてきなイングリッシュ
・ガーデンを作っている。
彼女の末の息子さんと、お孫さんのために、自宅で英語のレッス
ンをすることになり、うちの子も誘われて通い始めた。レッスン
というより、懐かしい友達と一緒に遊べるのが息子は嬉しいらしい。事実、最初に30分くらい遊んでエネルギーを発散してから、レッスンが始まる。先生は、彼女が息子のように可愛がっている20代前半のカナダ人の青年。レッスンが始まるまで、彼は大工仕事にいそしんでいる。彼女の家のリフォームも、かなり手伝ったらしい。
そして私は、彼女の庭やその先に見える山々の景色を眺めながら、ジンジャーティーをいただき、本を読んだり、お喋りしたりと、リラックスした静かな時間を過ごす。ときに、レッスン中の二階からドタバタと走り回る足音が聞こえるけれど。
大家族と、英語学校を切り盛りしながら、ガーデニングやその他
の自分の仕事もこなす彼女は、いつも忙しいのに、決して慌しい
雰囲気がない。精神的に非常に安定していて、寛容で、包容力の
ある人だ。その秘訣は、毎朝の瞑想にあるそうだ。
周りの景色が気に入って山の中に移り住んだ私だが、ここの景色
も大好きだ。うちの辺りほど田舎じゃないけど、街中の喧騒から
もほど遠い。そういえば、ちょっとイギリスに似ているのかも?
帰りは子供とふたり、この近くのコンビニに寄るのが習慣となっ
ている。実は、ここがうちの最寄のコンビニのひとつなのだ。山
の中の我が家からは、北、南、東と三方向にそれぞれ20分ほど走ったら、コンビニに行き着く。私たちにとっては、コンビニがあるというだけで、ここはかなりの都会なのだ。