西日本豪雨で殉職された広島県警呉署の晋川尚人さんのご家族から、友人を通じて感謝のメッセージが届いた。故郷の惨状を報道等を通して見て、祈ることしか出来なかった私としては、もどかしい、やるせない気持ちでいっぱいだったけれど、こうやって素晴らしい警察官とそのご家族に間接的にでも知り合えたことを本当にありがたく思う。
以下、尚人さんのお母様のメッセージです。
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みんなにはツイッターで拡散してもらって、尚人の最後の仕事をわかってもらえてほんとに感謝しています。
一区切りついた今、ほんとに孫がパパのこと誇れるのか?わかりませんが、孫には「パパは凄く大変なお仕事したから、すごく疲れて眠たくなっちゃった。寝させてあげてね」と話しました。理解できる年齢ではないけれど、何かを察しているようです。あどけない笑顔を見たら泣きそうになります。
6日以降、連日捜索に行きテレビ、新聞にも目を通す暇もありませんでした。お誉めの言葉をいただいているようですが、故人は当たり前のことをしただけ…と言っています、ほんとにそういう子でした。
お通夜の日に助かった方がお礼に来られて涙を流してくださり、初めて私はほんとにそういう行動をしたんだと確信できました。
ですが、残された家族はこれから哀しみに溺れながら、それでも前を向いて歩かなくてはいけません。
どうかそんな警察官を天職として選び人のために生き、短い人生を終わらせた男がいたことを心の片隅に残していただければ…と思います。
捜索にあたり、拡散していただいた皆様に感謝します。
みんなのおかげで拡散してもらって家に帰ることができました。ありがとう。拡散してくださった方に伝えて下さい。
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友人によると、お母様は「尚人の死を無にしないよう家族仲良く前を向いて進めるよう頑張ります。たくさん褒めていただきありがたいです。そんなにヒーローなんかではない、ただの愛しい息子です」ともおっしゃっていたとか。
また葬儀に参列された方によると、お父様は次のようにお話されたそうだ。
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与えられたミッションを果たしたけれど自分の命を落としてしまいました。
こんなカッコ悪い息子ですが誇りに思います。
皆さん、尚人のことを忘れないでください!
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私も同じひとりの親として、おふたりの言葉に込められた思いにただただ胸が締めつけられる。こんな素晴らしいご両親の下に生まれて、幸せだったね、尚人さん。そして尚人さん自身も幸せな家庭を築かれていたのだろうと思うと、辛くてたまらないけど、最後までりっぱな警察官だった尚人さんを誇りに、奥様とお子さんも、お母様がおっしゃっていたように前を向いて歩いていかれますよう、影ながら応援しています。
豪雨の被災地の一日も早い復旧も、祈りつつ。
*2018年7月13日の記事「呉署の晋川尚人さん(西日本豪雨で行方不明)」
*2018年7月15日の記事「西日本豪雨で行方不明の晋川尚人さん(続報)」
*2018年7月16日の記事「〔西日本豪雨〕呉署の晋川尚人さんに関する報道について」
*2018年7月18日の記事「お帰りなさい。(晋川尚人さんへ)」
*2018年7月20日の記事「家族を現場に導いた呉署の晋川尚人さん」
*2019年7月5日の記事「西日本豪雨で殉職された呉署の晋川尚人さんのお母様より」