母が転院した頃に再会し、その後、いろいろお世話になった同級生と会った。隣町から一緒に6年間通学した彼女と、懐かしい駅の前のデパートで待ち合わせ、午後のひとときをおしゃべりに費やした。
中学の入学式の帰り、この駅のホームで乗り換え電車を待つ間、私の母が売店でコーラを買ってくれて、一緒に飲んだ景色が断片的に彼女の脳裏に焼きついているそうだ。私の記憶にはまったく残っていなかったが、そんなこともあったのかな~と、しばし遠い過去に思いを馳せた。
母が十分に生きて逝ったことは悲しくはないのだけど、なんでだろう…こうやって同級生と話していると、あの頃に連れ戻されて、幼かった自分自身と、若々しくはつらつとがんばっていた母の姿がよみがえり、なんとも言えない気持ちになる。
そして、その時間を共有した同級生の存在が本当にありがたい。この駅も、あの頃とは様変わりで、大きくきれいになったけど、私たちの記憶の中では、あの頃の鈍行列車がまだ走っている。
*駅の裏のミュージアムと桟橋。