家族ぐるみで仲良くしていただいているご近所の料理旅館さん
に頼まれて、知人を紹介することになった。その方と私たち夫
婦の三人でお昼にご近所宅を訪れて、しばらくお話をしたあと、
お店の方でお食事をいただいた。
鯉の白子の蒸し物に、鯉、あまご、鹿の刺身と続き、今年最後
の子持ち鮎の塩焼き! そして、いよいよ鍋。シーズンが始ま
ったばかりの熊肉、猪肉に、今年最後のマツタケもたくさん入
っていて、こんなにおいしくて贅沢な食事は初めてかも…と至
福のひととき!
野菜もうどんも、鯉こくとごはんも、デザートの果物も全部食
べた。そうそう、あとで出てきたあまごの骨せんべいも絶品だ
ったが、車の運転が控えていたので、お酒をいただけなかった
のが、返す返すも残念だった。(いや、お酒を飲んでいたら、
あのままあの部屋で寝ていたかも)。
料理人がすばらしいのはもちろんだが、この辺りの山で採れた
ものを、山の景色を眺めながら食べるからこそ、ありがたくお
いしくいただけたのだろう。熊肉は初めての経験だったが、ど
んぐりを食べて大きくなっただけあって、脂身もまったくしつ
こくなくて、鍋にアクさえ浮かなかった。自然の動物の肉とい
うのはこういうものかと納得した。(そう思うと、普段スーパ
ーで買って食べている肉はいったい…!?)
夕方、息子から「きょう、お母さんたちはお昼になにを食べた
の?」と訊かれ、申し訳なくて適当にごまかして返答してしま
った。山の神様、ありがとう。
*これが熊と猪の肉。