街からうちに帰るとき、「遠くに見えるあの山の裏側まで
行くのだなぁ」と不思議な気持ちになる。山が雲に覆われ
ているときなど、「あの雲の中に帰っていくのだ」と思う。
案の定、峠の道に入ると霧でまっ白というときは、息子が
「ねえ、僕たち今、雲の上にいるんだよね?」という。上
というよりは中かも知れないけど、確かに街から見れば、
そういうことかも。
今朝もまさにそんな天気。あたりから霧が昇っていく。街
から見たら、どんな世界に見えているだろう?
*霧が立ち昇る。
*霧の中。
びわ湖畔に暮らす翻訳家の物語