今年のアカデミー賞で史上最多14ノミネートと話題になったミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。我が家は4月の息子の誕生日に映画館まで観に行った。日曜の夕方だったせいか、うちから車で10分の映画館の観客は上映直前まで私たちだけ。(さびれた地方都市ゆえか…)
「息子の誕生日にふさわしく、映画館貸切状態か!?」と期待したが、ぎりぎりで入ってきた観客が2組。それでも、まぁほぼ貸切に近い状態で、このファンタスティックな映画を満喫できた。
『5時に夢中』(TOKYO MX)で中瀬ゆかり氏が絶賛していただけあって、ミュージカルはそれほど好きではない私もこんなに楽しめたのは『レ・ミゼラブル』以来だった。とはいっても、『レ・ミゼラブル』のときのようにサントラを買うわけでもなく、時間と共に、この作品のことは忘れていた。
ところが、最近、夫の車に乗ると、それまではたいていFMが流れていたのに、『ラ・ラ・ランド』のDVDが流れているのだ。もちろん、運転中は映像は出ないので音声だけ。夫は何度も何度もこのDVDを聴いているようで、歌ではない部分のわけのわからない音だけ聴いても、「これは○○の場面」などと解説してくれる。私は映画館で一度しか見てないので、細かい場面なんてすっかり忘れているのだが、夫はもともとこういうこともけっこう記憶するタイプで、「これから初めてのデートの場面」とか、「ここで映画のフィルムが燃える」とか、嬉しそうに説明するのだ。その説明を聞いてもまだ私は、「あれ、そんな場面あったっけ?」状態だったのだが。
それでも、このところ夫の車で出かける機会が何度もあり、しかも帰りに家の近くの公園前に駐車してポケモンGOをやったりしていたので、私も『ラ・ラ・ランド』をけっこう聞いて(見て)しまったのだ。そしたら知らない間に、私の心も『ラ・ラ・ランド』に侵食されて、今では頭の中で“Another Day of Sun”が常時、鳴り響いている!!
夫はライアン・ゴズリング演じるセブにかなり思い入れがあるようだ。(セブって、なんだかダサい響きだけど、本当はセバスチャンなのよね。)
セブも、エマ・ストーン演じるミアもLAで必死に夢を追いかけて、そしてその結果……これがハッピーエンドなのかはわからないけれど、胸が締めつけられることは間違いない。
それでも“Another Day of Sun”を聴くだけで、明るく元気になれる!
このところ、気の合う友人たちと3人で、「私たち、どうやって夢を実現しよう!?」と何度も話しているのだが、私も自分の車に『ラ・ラ・ランド』をセットしなきゃ…と思ってる。
by 鳩胸厚子