長い間、空家だった古民家を改築する際に、囲炉裏やおくどさん(かまど)、ぽっちゃん便所も取り壊しました。けれど、この五右衛門風呂だけは、残しました。まだ使えそうだったし、タイルが可愛かったから。
焚き火が趣味、という夫は、毎日喜んで風呂焚きをしています。以前は、たまに食事の支度をしてもらっていたのに、今は風呂焚きがあるため、役割分担が定着した感あり。
が、このところ、夫が帰宅する前に私が風呂焚きを始めることが多くなりました。寒くなったので、早く沸かして早く入りたいというのが最初の理由でしたが、今ではこんな楽しいこと、夫にやらせてなるものか(!?)と。
保育園帰りの子供と一緒に、焚きつけ用に杉の葉を拾い集めるのも、楽しいものです。
実は私も子供の頃は、五右衛門風呂を焚いていました。我が家は、お風呂のない古くておんぼろの借家に住んでいましたが、ある日、父が家の建替えで不要になった五右衛門風呂を知人からもらって来たのです。ついでに不要になった材木もたくさん持ち帰り、家の裏に家族三人で風呂場を作りました。お風呂の釜はコンクリートで固めただけ。それでも、私にとっては大満足の出来上がりでした。その後、いくつかの家に暮らしましたが、鮮明に思い出せるお風呂場はこの五右衛門風呂だけ。思い出がいっぱいつまっています。