回転寿司

ロールケーキを贈ってもらったので、伯母ちゃんに会いに行こうと夫が言い出し、突然、きょうの午後、奈良に行くことになった。夫はお昼過ぎまで仕事だが、今週末を逃すと、行けそうな週末が当分見当たらない。この間から伯母は、「今度、うちに来たら、またあのお寿司を食べに連れてって」と言っていたので、いっそきょうの夕方、行こうじゃないかとなったわけだ。

突然の提案に伯母も喜んでくれて、夕方の早い時刻に伯母が行きたがっていた回転寿司に到着。元気とは言え、伯母はすでに88歳。杖をついてゆっくり歩く。ご飯も「美味しいものを少しだけ」。広島生まれの伯母は、大好物の穴子を食べたら満足したようだ。その後は若くして奈良に嫁いだ当時の苦労を語り始め、最後に隣の鮮魚店で魚やクジラを買って、私たちに持たせてくれた。

家に戻ると、伯母は習い始めたピアノを早速、披露してくれた。昔の文部省唱歌をピアノで弾き語りするのが、目標のようだ。「最近の若い音大生は昔の文部省唱歌を知らない!」と文句を言いながら、「電子ピアノはやっぱり音がよくない。そのうちグランドピアノを弾きたい」とのたまう。さすがだ。

最後は親戚へのグチを延々と聞いて、もう遅いからと帰路についた。話相手もままならぬひとり暮らしで、悶々と胸の中にためていることもあるのだろう、不安もたくさんあるのだろう。世間知らずのお嬢さん育ちで、働いたこともなく、伯父が亡くなるまではひとり暮らしもしたことがなかった伯母が、こうやってひとりでしっかり生きている姿を見ると、女って強いなぁと改めて思う。

それにしても、伯母に会いに行く日はいつも雨降りなのはどうしてだろう。

*珍しいクジラのスモークやベーコンをいただきました。
DSC03835

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です