母と電話

しばらく母から電話がなかったのが(こちらからかけても
マナーモードで気づいてもらえない)、最近になってまた
かかるようになった。母の世話をしてもらっている知人に
よれば、彼女には電話してくるのだが、私には遠慮してか
けないのだという。忙しいだろうからと。それで彼女が病
室に行くと、こっそり私にメールをして、私から母に電話
をする(彼女が電話に気づいて取ってくれる)、というこ
とを繰り返したら、やっと母から時々電話がかかるように
なった。大抵は朝の時間。朝ごはんが来るまで、お茶が来
るまでの退屈な(いや、それよりも辛い)待ち時間に電話
して、気を紛らわせるのだ。話す時間はほんの少しでも、
気持ちが落ち着くのだろう。

で、そんな母と話して、こちらも安心する。連休前からお
かしくなっていた母が、今はほぼ元通りになっているのだ。
おかしなことを言わないし、口調もしっかりしているし、
記憶もはっきりしている。知人も、「そうよ、もうおかし
なこと言わないよ」という。私たちが街に家を借りたこと
も覚えているし、土曜日が息子の合唱の練習だということ
もわかっている。今朝も「学校は変わらないの?」と聞か
れたくらいだ。

体が弱ったまま、辛うじてバランスを保っていることに変
わりはないが、心が落ち着いている状態であることが一番。
何かあれば駆けつけてくれる知人には、感謝してもしきれ
ない。彼女の方が私よりよっぽど母想いなのだ。

DSC01332

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です