家の中の用事もなかなか片付かないけど、午後からは庭に出た。
すると、隣のおじさんから紅花とひまわりの苗をあげると言われ、
急遽、花壇造り。丹精こめて数々の花を育てているおじさんに、
いろいろ花作りについて教えてもらう。
「手をかけただけ、育ってくれる。文句も言わないし。子供はこ
うはいかないからね。」組織や人付き合いが苦手だというそのお
じさんは、夕方、うちの夫を誘いに来た。焼き鳥で酒を飲もうと。
近所の男連中で集まるらしい。
こうやって、少しずつ地域になじんでいくのだろうか。あとで夫
から、あのおじさんには25歳の息子がいること、だけどその息子
は葬式以外でここの家には姿を見せたことがないらしいことを聞
いた。おじさんが植木にかける情熱の裏には、複雑な背景がある
のかも知れない。