別れの季節

先週はわずか10軒程度のこの集落で二回、法事があった。おととしと
去年のこの時期に近所のおじさんが二年続けて亡くなったからだ。

同じく、おととし、去年のこの時期にふたりの親しい友人のお父さん
が亡くなった。そして、今年。田舎の母校の先生の訃報を聞いた。

生物担当で、教頭先生でもあったその先生は、私が尊敬する数少な
い先生のひとりだった。ある日、生物教室の掃除中に、友人がビー
カーを落として割ったとき、教室に入ってきた先生は開口一番、
「怪我はなかったか?」と確認し、「こんなところに出しっ放しに
していた私が悪かった」と反省した。

先生の言動にひそかに感動した私は、理数系が大嫌いなくせに、
生物だけはそれ以来、がんばって勉強したのだった。(だからって、
生物が得意科目になったわけではないが。)

多くの故人を偲んで、心も湿っぽくなるきょうこの頃。心は常に乾
かさないようにしたい。咄嗟のときに、その人の本質が現れるのだ
ということも肝に銘じたい。

*隣の家のお地蔵さん。

jizo

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