快晴の元旦

結婚以来、夫と共に新年を迎えたことがない。寺に勤めていると、お正月やお盆
はもちろん、週末もなかなか休めない。大晦日はお寺が24時間開いているので、
勤務が終わって帰宅できても明け方近く。

ただし今回の大晦日は宿直当番になったので、夫は楽勝!と思っていたらしい。
事務所で電話番をしていればいいと。ところが、新年を回った頃から電話や直接
問い合わせにやって来る人が続いて、てんやわんやだったらしい。それも、言わ
れなきクレームの多さに、世の中、こんなにイライラしている人が多いのかと改
めて感じたと言う。

「寺までの道が渋滞しているのはけしからん!」とか(だって、みんなが初詣に
来るからじゃん…)、「ゆく年くる年の中継で、僧侶が笑っていた。ちゃんと修
行しろ」(それを私に言われても…)など。ま、宿直していると、変な電話を受
けることは珍しくないらしい。(特に夜中…)

古代から霊山として知られるこの地までやってきて、荘厳なお寺の中で新年を迎
えようという人たちの心まで、こんなにギスギスしているとは悲しいことだ。ひ
とりひとりの心が潤って、他人のことも考えられる余裕がもてるよう、新年の始
まりに祈りたい。

夫は疲労のあまり、ストーブの前で寝ている。

nant

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