昼間は、最近知り合った近所のご夫婦と、子育てを始めとしていろいろ
意見交換して盛り上がった。夜は、夫の仕事関係の知り合いのご夫婦と
お食事をして、これまた会社組織のことなど、いろんな話をした。
普段は家にこもって、殆ど誰とも喋らないのに、きょうはずっと喋り続
け。しかもおいしい食事ができて、大満足。いろんな人の考えを聞くこ
とで、自分の考えも明確になっていくようだ。
私は今でも金融・証券業界から足を洗う決意をした瞬間を覚えている。
ある日、東京の地下鉄を下りたときに、清掃員のおばさんが懸命に床に
こびりついたチューインガムをけずりとっている姿を見たときだ。
当時、やっと東京で楽に自活できるようになっていたものの、心のどこ
かに釈然としない気持ちがあった。一生懸命に掃除をするおばさんの横
を、私と同じような仕事をしているであろうスーツ姿の一団が、おばさ
んには目もくれず、あるいは邪魔そうに、急いで歩いて行く。それを見
て、私は申し訳ない気持ちになった。明らかにおばさんの仕事の方が世
のため、人のためになっているのに、私はおばさんよりたくさん給料を
もらっていると。
今の仕事は自分がやった量に応じて、収入が決まるので、やましい気持
ちはない。ボロ儲けはないだろうが、自分の労働に見合った収入の中で
生活できれば、それでいい。もちろん、お金があるに越したことはない
が、なんでも「ほどほど」が一番。
お金儲けに労力をつぎ込む人生よりも、徳を積むことに励む人生の方が
最終的には得するはずだ。きょうの楽しいお喋りの中で、再度認識した。