年賀状のやりとりだけをしている小学校の同級生からメールがきた。彼女は途中で市内の別の地区に転校したので、最後に会ったのはいつだったろうか。知的で優しくて、尊敬する同級生だった。
その彼女が、私が出した年賀欠礼状で母が亡くなったことを知り、お悔やみのメールをくれたのだが、それを見て驚いた。「小学校のとき、○○君をよんでお誕生会を開いてくださって、シェルのパスタなどいっぱいごちそうを作ってくださいました。よく覚えています」と書かれているのだが、実は私にはさっぱり記憶がない。誕生会をしてもらったことは覚えているけど、詳細は思い出せない。むしろ、友達の家での誕生会については覚えているのに…。
○○君というのは、今で言う軽度の発達障害だったと思える子で、クラスの中で浮いて、いじめられていた。母はその子を招いて誕生会を開いてくれていたのか…。しかも、あの頃のうちは決して裕福ではなかったのに(いや、はっきり言ってビンボーだった)、母はお客さんが来ると、常にこれでもかというほど食べ物を出して、もてなしていた。
現在、小学生の息子を持つわが身と比して、母の偉大さを改めて認識した。このことを気づかせてくれた幼なじみには感謝の気持ちでいっぱいだ。ご主人が自衛隊勤務で、今はきっと気苦労も多いだろうに。
優しい母を持って、私は本当に幸せだったのだわ。