高齢者の交通事故(日ごろの行いが幸運を呼ぶ)

月に一度、山の集落の美容室に通っている。昼間は外でお仕事をしている方なので、夜にお邪魔することが多いのだが、きょうは珍しく日中となった。彼女も今では町の実家に暮らし、休日に山の家に戻ってくるという生活だ。子供さんたちが高校に通学するため、ご主人ひとり山の家に残して、母子で町の実家に引っ越されたのだ。

毎月たくさんお喋りをするのだが、私より集落に戻る頻度が高い彼女から、山の集落の情報もいろいろ教えてもらっている。この一ヶ月の間にお年寄りがふたり亡くなられたそうだ。仕方のないこととは言え、人口が減る一方だ。

美容室の帰り、山の集落を出る前に、気になっていたことを近所のおじさんに聞いてみた。我が家のすぐ近くの茅葺の家にひとりで暮らすおじいさんが、先日、交通事故をしたらしいと耳にしていたのだ。おじいさんに怪我はなかったらしいと聞いたものの、事故現場を目撃した友人は「車が大破していた」と言っていたからだ。

おじさんによれば、おじいさんはブレーキもかけないまま、ガードレールに突っ込み、車は大破したものの足首の骨折だけですんだという。先月、90歳になり、子供や孫が集まってお祝いをしたばかり。車がなければ生活できない山の中だけに、みんな心配しながらも、車の運転を止められなかったのだ。

それにしても、なんという不幸中の幸い。おじいさんの日ごろの行いがものをいったのだろうか。思えば私の父も、同じような事故にあい、ようやく運転をやめてくれたのだった。生き運がある人は、こんな風に何かの力で何度も助けられているんだなと思う。

ああ、よかった。

*久しぶりの我が家。今度くるときは冬タイヤ必須だわ。
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