フリーになってから長いことお付き合いしている会社がある。たまにちょこっと仕事をいただく程度だが、毎月なんらかのやりとりがある。担当の方がたいそう丁寧で感じよく、ケチケチしてなくて、良いイメージだったのだけど、それが年を経るごとに変化してきた。担当の方が次々と退社して代わっていくたびに、イメージが少しずつ落ちていったのだ。もちろん、社内の事情だけでなく、世の中の経済状況など、さまざまな要因が絡んでいるのだと思うけど、だんだんと世知辛くなってきて、ちょっと寂しい。と思っていたら、とうとう今の担当者も退社すると通知がきた。
夕方、回ってきた回覧板を見ていたら、隣の学区の広報誌が入っていた。今までにはなかったことだ。公立小中の選択制が始まったことで、この学区の中学は生徒数が激減して、私たちがいた山の中学と変わらない規模になっていたのだが、地域をあげて生徒誘致の活動に取り組み、それが成果をあげつつあるようだ。こうやって近隣学区の回覧板に広報誌を入れて、アピールまでしているのだ。
山の学校では残念ながら地域をあげての取り組みは一切なかった。現場に近い人たちは、それなりに考えるところはあったけど、地域のバックアップがなかったから。下手すると、バックアップどころか、勝手な活動は潰されかねない状況だったから。
だからといって、隣の学区の活動を私は羨ましいと思っていない。確かに地域の団結力はすばらしいと思うけど、広報誌を読む限り、「自分のとこさえ、よくなればいい」という思いが透けて見えるのだ。ひとつ間違うと、この地域を盛り上げない者は認めないという排他的な姿勢になりかねない。
じゃあ、どういうのが理想的かといわれると、それもわからず、私の胸の中はもやもやしたまま。
息子がきょう英語のレッスンで習った文章を披露してくれた。
“She has a headache.” まさにその通りだわ。