この細長い過疎地区には九つの集落が点在しており、いつも決まった曜日に地域でほぼ唯一の食料品店のご夫婦が車に食料品を積んで、各集落を回っている。今では街に買い物に行けないお年寄りが利用されるくらいだが、それでも山の上の方に住んでいる足の悪いおばあさんのために、注文を聞いて、注文の品を詰めて、また持って行ったりと、なかなか大変なお仕事である。
きょうの午後、息子を迎えに行き、一緒に帰っていたら、この食料品店の車が停まっていた。いつものように「こんにちは~」と声をかけると、おじさんもおばさんも外に出てきた。「何事?」と思ったら、「この間、学校の先生から訊いたんだけど、給食で誰のお世話になっているかという質問でSちゃんが『H商店さん!』と言ってくれたそうで、ありがとう この商売、40年以上やってるけど、こんなこと言われたのは初めてで、嬉しかった!」と、お礼を言われてしまったのだ。
「調理室に食料品を届けて、立ち話したりしてるのを、ちゃんと見てくれていたんだね」と、おじさんはえらく感激していた。そうか~、けっこうしっかり観察しているではないか。
確かに、私たちの生活は、いろんな人のお世話になって成り立っているのだと改めて思う。文句ばっかり言っててはいかんわね。(反省!)
*雪の重みで倒れないようにと、あちこちで伐採された杉の
木が今になって姿を現している。