母の遺影

実家に戻って、大急ぎでアルバムからみつくろった母の遺影。わりと最近の写真で、それでいてふっくらとしていた元気な頃の姿を捕らえたもの…ということで、息子のお披露目(?)会での記念写真を選んだ。私たち夫婦は入籍をしただけで、結婚式も披露宴もしなかったので、息子が生まれたあとで、広島の親戚に集まってもらって、お披露目をしたのだ。

孫が生まれた喜びに満ち溢れていた頃の母の笑顔。その日付けを見ると、ちょうど10年前のきょうだった。このとき0歳だった息子が10歳となり、得度を終え、きょうのお通夜では母を長年導いてくださったご住職の読経に唱和していた。

父には今朝ホームに行って、母が亡くなったことを知らせ、そのままホールに連れて来て、お通夜の前に母に対面してもらった。顔を見ると納得した父。「もう会いに行けんのう」とつぶやき、「わしももう何もできんようになって、はあ、酒でも飲まんとやっとられん気分じゃ」と笑わせてくれた。実は父はまったくの下戸。甘酒を飲んでも真っ赤になる人なのだ。

いつも妄想の世界の話ばかりをする父が、こと母のこととなると、必ずいつもまともになる。きょうも「明日、葬儀にまた連れてくるから」と説明すると、「喪服がない、数珠がない」と心配し始めた。「用意しておくから大丈夫」と言い聞かせ、またホームに連れて帰ったのだが、とりあえず落ち着いている様子だったので一安心。何が起きても淡々と受け止め、決して動揺しない人なのだ。だからこそ、この年まで元気で長生きしているんだろうけれど。

そういえば、母が最後まで気にかけていた私の従姉が、きょう帰り際に「28日の朝、夢におばちゃんが出てきたのよ。きっと会いに来てくれたのね」と声をかけてくれた。6月に具合が悪くなって、意識が朦朧としたときも、母はこの従姉のことを案じていたのだ。

いろんな思いが駆け巡るけど、無事に明日の一日を終えられますよう。

*息子が母のために作ったお花。
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