父の暮らす老人ホーム

DSC04091 今朝はちょっと朝寝坊して、お昼を食べてから父の老人ホームに向かった。実は前から気になるベテランの介護スタッフがいる。なんでも自分のペースで効率的にさっさと済ませたがるため、相手に無理強いする傾向があるのだ。しかも、その態度にやさしさがいっさい感じられない。それでうちの父が激怒する場面を私は何度か見ている。父以外の入居者の方も、彼女に反発したり文句を言う場面も何度も見た。前回も彼女のせいで、父はかなり不機嫌だった。

先日、老人ホームの運営会社からの書類の中にアンケートハガキをみつけ、彼女のことを投書しようと思いついた。だが自宅から投函すると、消印から差出人の見当がつくかも知れないと思い、今回の帰省時に投函するつもりで持ち帰った。

ところが、このベテランさん、今回はなぜかとっても優しくなっていたのだ。トイレに行きたいという父を介助して下さったのだが、前と違って、丁寧で優しい。父を急かすこともしない。私の前に、誰かクレームを入れたのだろうか!?

それなのに、父はきょうもちょっと不機嫌だった。父はいつも共同スペースの大きなテーブルの前に座っている。スタッフや入居者など、必ず誰かがそこにいる。テーブルの上には、新聞のチラシの束が置いてあり、暇があるとスタッフの方がそれでゴミ袋を作るのだ。

なんでも仕事の話にしてしまう父は、そのチラシの束を書類と思っているようで、「これを名前を書いた封筒に、全部入れんといけんのじゃが、わしにはできん・・・」とぶつぶつ言っている。手が思うように動かなくなり、事務仕事さえ出来ないのが情けないらしい。働かざる者食うべからずで、何もせずにここに住まわせてもらうわけにはいかない・・・という思いが、入居当初から抜けきらないのだろう。「できんでも、ええんよ。ここの人に任せようや。ここにはスタッフもようけ、おってじゃけ~」などと、私は父をなだめ続けた。

しばらくして、そろそろ帰ろうかと席を立ったら、テーブルの向かい側に座っていたおばあさんに、「私に任せられても困るんだけど」と言われ、「やだ、話を聞いてたんだわ~」とびっくり。皆さん、ボケているのに、しっかりしておられるのだ。老人ホームは何度行っても面白い。

*きょうはそのあと、新しく開通したばかりの自動車専用道路を通って、いつもの友人宅へ行ってみた。
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