あちらの世界

山道をドライブして、霊園にたどりついた。すでに大半のお墓はお参りがすんで、浄土真宗・安芸門徒特有の盆灯篭が一面に立ち並んでいる。三人で墓参りをして、いつもの友人宅でコーヒーをいただき、高校野球を見て盛り上がり、帰りに老人ホームに立ち寄った。

このところ父は前よりいっそう、眠そうにしている。話をしても、半分眠りかけていることが多い。とっても穏やかなのだが、表情も前より少し変わってきたように思う。なんというか・・・半分、あちらの世界にいきかけているような、そんな雰囲気なのだ。こうなるのが、自然な老いの姿なのかしら。

気持ちよさそうに目を閉じている父を見ると、ちょっと羨ましい気がした。こういう境地に、私も行きつけるだろうか?

*霊園の奥の奥までいくと、瀬戸内海が望める。
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