キャラ変更

始まったばかりのパートだが、職場環境は劣悪な上に同じ部署に「ナイス」な人が皆無という、恐ろしい状況だ。「これは、常にポジティブな意識を持つための訓練なのだ」と自分に言い聞かせているのだが。

中でも厄介な人物が、最年長のパートのおばさん。かなりの年配で、電話をとると大きなだみ声で喋るのでうるさくてたまらない。社員の方が私たちに研修しているのに、その人が席を立ったりすると急にしゃしゃり出て、私たちに偉そうに仕事を教えたり、指示を出したり。もうひとりの新人さんは、私より若い上に、たまたまそのおばさんの隣の席になったものだから、細々と指示や文句をつけられたり、嫌味を言われたらしい。おばさんがここに入ったときは研修なんてものはなく、いきなり仕事をさせられ、うまく出来ないと叱られていたのだとか。わからないから質問すると、「こんなこともわからないのか!」と叱られ、自分で判断してやると、「どうして質問しないのか?」と叱られ、結局、何をやっても叱られていたのだそうだ。そのことをずっと根に持っているのか、直接、叱った相手に反撃できない分、自分より弱い立場の新人をいびっているのかも知れない。

私も研修中に一度、その人の指導を受けて、その嫌味ったらしい口調を聞くこととなった。それまではメモを取りながら研修を受けていた私だが、このおばさんは何かあるとテスト形式でこちらを試すので、メモはとらずに、おばさんの話に集中した。実際問題、おばさんの説明はわかりづらくて、メモをとる気が失せたのもある。すると、それが気に入らなかったのか、「メモは取らなくていいの?」とくる。さらに、「○○はよく出てくる業者だから、○○の業者コードはきょう明日くらいで覚えてな!」とか、「△△の地域コードくらいは、きょう明日で覚えてな!」とか命令するのだ。まだ仕事に慣れてないから、入力作業は常に項目を間違ってないか確認しながら行っているので、たとえコードを暗記したとしても絶対にコードリストに照らし合わせるつもりなので、「別にきょう明日で覚える必要はないじゃん・・・」と思って聞き流した。

そして、その二日後だったか、研修をしてくれる社員さんがいなくなった隙に、いきなりそのおばさんが私の席にやってきて、「○○の業者コードは?」と質問したのだ。「なんじゃ、このおばさん!」とビックリしたが、うまい具合に机に広げていた研修ノートのページにその業者コードが書いてあったので、「xxxxxxxx」と即答。すると今度は、「△△の地域コードは?」ときた。これは覚えてなかったので、素直に「すいません、覚えてません」と答えた。だが彼女は黙って立ったまま。そこでもう一度、「すいません、覚えてません」と繰り返したが、それでも無言。なので、今度は「コードではなく、マウスでクリックして入力していたので、番号は覚えてません」と言ったら、「まあ、いろんなやり方があるわな」と不機嫌そうに自分の席に戻って行き、大きな声で、「ああ、気ぃ悪い!!」と言って席についた。

ところが、このおばさん、私のひとり勤務の初日、なぜかやけにやさしくなっていたのだ。もしかして、社員さんに「新人パートに辞められたら困るから、やさしく指導するように」とでも言われたのだろうか!? 一番、びっくりしたのは、彼女が昼休みに出る際に、「鳩胸さん!」と私に声をかけて、「ガンバ!」という感じのポーズをして見せたこと。いやはや、吹き出しそうになるのを堪えたのだが、いきなりのキャラ変更、ついていけません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です