結局、息子は帰省中に実家から殆ど外へ出なかった。
私と夫が街に出かけても、ずっと留守番。食事もず
っと祖父母と一緒。一晩は「ということで、きょう
はばあちゃんと寝るので、おやすみ」とさっさと行
ってしまった。
帰るときにも、「帰りたくない」。広島の子になり
たいと言い出した。実家の母も、ばあちゃん冥利に
尽きるセリフだ。
それでも、三人で広島を後に、山の中の我が家へと
向った。実家の父も母も、なんとか自宅生活を続け
ていることをしみじみと感謝した。きっと今は入学
式の写真を楽しみにしていることだろう。
*大和ミュージアム