思考現実化Revisitedー引き寄せの法則(理想の家編)

最近、イギリスのドラマ『ブライズヘッド再び(Brideshead Revisited)』を見たもので、こんなタイトルになりましたが、去年からひそかに行っている「思考現実化」実験について、改めて書きたいと思います。

今年2月のワンダイレクションのコンサートで、花道に一番近い最前列の席をゲットしたことは既に書きました。その際に理想の家に引越したことにも触れましたが、きょうはそれを詳しく報告します。

去年の春に読んだ何冊かの本に従って、私は「理想の家に暮らす」ことを現実にしたいと決心しました。母も父も亡くなって以降の私は、誰もいない広島の実家に帰る機会もほとんどなくなり、それなのに望郷の念は増すという日々を過ごしていました。例えば、スーパーで広島産の食材をみつけると、思わず手に取り、懐かしさのあまり涙ぐみながらカゴに入れる・・・という具合。さらに湖の景色を見ると、瀬戸内海を見ているようで、心が癒されるのでした。

実は、3年前に息子が近所のカヌースクールに入ったとき、敷地内に併設されたジムの会員になったのですが、思えばそれも湖を眺めながら運動できるというのが決め手でした。そしてガラス張りのジムで、目の前の湖を眺めながらエアロバイクを漕ぎ、「ここは私の別荘!」と妄想するのが習慣となっていました。
ところが実際に、そのジムの近所には湖に面した別荘が並んでいて、それを発見したとき、「毎朝、朝日が湖の向こうから昇るのね。こういうところに住みたいな~」と強く思ったのでした。

思考現実化実験を開始した私は、具体的に家の外観や間取りや、窓からの景色など、いろいろなことを頭に思い描きました。ジムの近所の湖岸に空き地がないかも、探しました。ネットで物件検索もしました。もともと不動産のネット検索は趣味のようなものでしたが(結婚後の転居先4軒はすべて私がネットでみつけました。)、このリサーチの結果、湖岸の売物件は非常に少ないけれど、あるにはあることがわかりました。ただし、湖に面しているというだけで、土地の値段が2倍以上になるのです。珍しく市場に出た中古物件は、土地も広く、建物も古いながらも豪華で、かなりの高額、だけど間取りはいまいち。新たに造成された宅地は、ただでさえ土地代が高く、さらにそこに新築するとなると、どれだけかかるのか。しかも、残っているのは北側の数区画のみ。

それでも、私は理想の外観、間取り、立地条件などを思い描いていました。前述の、とても手が出せない高額物件を見ても、「私には手が出せない」という残念な気持ちよりも、「湖岸の物件は実際にあるのだ!」という力強い思いの方が優っていました。本当は「手が出せない」くせに、「こんな間取りの家には住みたくない」、「私の理想じゃない!」と一蹴していたのです。

当時、暮らしていた学区近辺の湖岸物件を探していたのですが、時々チェックする不動産サイトで、たまたま近所の友人の隣家が売物件になっているのを発見。しばらくして、その友人に会ったのですが、彼女はそのことを知りませんでした。その隣家はトラブルメーカーだったらしく、「早く家が売れて引っ越してくれたらいいな」と言うので、その日、私はまたその不動産サイトをチェックしてみました。

サイトの一番最初に出てきた「最新物件」をふと見ると、建物もりっぱで土地も広いのに、かなりお手ごろな値段。写真を見ると、窓から美しい湖の景色が! 間取りも、私のほぼ理想通り。「これだ!」と思いました。しかも「安い!」 昔、外国為替のトレーダーをやっていた時期がありますが、まさにこれは即「MINE!(買い)」と叫びたい物件でした。

夫に連絡すると、「いいんじゃない?」の一言。「見に行く?」と聞くと、「いいよ」とのこと。そこで不動産会社に電話をすると、売主がまだその家に住んでいるので、確認が必要だが、その週の木曜日に別の人が内覧に行く予定なので、その人の後にどうでしょう?と言われ、「はい、何時でも大丈夫です」と即答しました。夫の職場は週休1日で、それも決まった曜日ではなく、たいてい平日のどこかで休むのですが、その週は偶然にも「木曜日が休み」と言われていたのです。これは、幸先いいではないですか。

そして、木曜日、夫とふたりでその家に向かいました。そこは当時住んでいた地域から、そんなに離れてはいなかったのですが、これまでまったく縁のないエリアだったので、私の頭の中から抜け落ちて、検索対象から外れていたのです。あとでわかったのですが、その家はしばらく前から売物件として掲載され、複数の問い合わせがあったものの成約に至らなかったので、売主が値下げをして、最新物件のページに掲載されたところだったのです。私たちの前にすでに5件ほど問い合わせがあり、中には2回も見に来た人もいたとか。私たちはさらにその後、いちばん最後の内覧者でした。

古い家と庭は、しばらく手入れが行き届いていないのか、少し荒れた雰囲気がありました。開かずの間もあり、どの部屋も荷物があふれ、ちょっとした「プチごみ屋敷」に見えないこともありません。雨戸が閉め切ってある部屋もあり、室内犬のせいか、なんともいえない悪臭も・・・。けれど、家の造りはしっかりしていて、間取りも理想的で、私は玄関に入った瞬間、「買いだ!」と思いました。そして、窓から湖の景色を見て、その思いは確信に変わりました。

夫がほとんど無言だったのが気になりましたが、あとで話すと、夫も「買いだ!」と思ったようです。不動産会社の方に確認すると、先に内覧した人に優先権があるわけではなく、一番最初に手を挙げた人が購入できるというので、その日のうちに「買います!」と連絡しました。不思議なことに、「湖岸の家に暮らす」という思考現実化実験を開始してちょうど一ヵ月後に仮契約していました。

なぜ湖の見える大きな家が、そんなに安かったかというと、その家は湖に面していなかったからです。家の裏地が大きな庭となっており、窓からは緑の庭と、その向こうに広がる湖が見えたのです。よそ様のお庭と湖を眺めるという、なんともラッキーな立地。しかも土地の値段も湖岸プライスではありません。売主さんが早く売りたかったため、さらに割安な値段になったところで、私たちが発見したというのも幸運でした。

それから、もうひとつ不思議だったこと。今回の売却理由には、売主さん一家のご主人が数年前に転勤となり、もうこちらに戻ってくることはなさそうだということもあったそうですが、なんとそのご主人、私の実家から徒歩15分ほどの場所に住んでいらっしゃいました。

割安な値段で手に入れた家は、その後、リフォームして、まさに私の理想の家となりました。毎朝、目がさめると、窓から湖の景色を眺め、その美しさに感動し、この家に暮らせることを感謝しています。毎日、この家で思想が現実化したことを実感する。それだけで、幸せを感じます。今までずっと幸せだったけれど、今はさらに感動を伴う幸福感があります。もちろん、日々、小さなことでイラついたり、落ち込んだりもするわけですが、この家にいるだけで、気分が違うんです。気分がいいんです。

思考現実化実験、まだまだ続けるつもりです。

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