我が家はこの集落のほぼ真ん中にある。左右の隣と裏の
家には、実家の母とほぼ同い年のおばちゃん方が暮らし
ていた。と過去形なのは、裏のおばちゃん以外はもうこ
こにいないから。
左隣のおばちゃんは、私たちが引っ越しの準備をしてい
る最中にご主人を亡くし、その後、しばらくひとり暮ら
しをされていたが、持病が悪化し、息子さんのところへ
引っ越された。この間まで、時折、ここに戻って行事に
参加されたりしていたが、今は腰を痛め、歩くのも難し
い状態だとか。
右隣のおばちゃんは、毎日のように畑しごとや草ひきに
精を出しておられたが、認知症が悪化して入院され、い
まは息子さんがひとり家に残っている。
長年、ひとり暮らしの裏のおばちゃんはいまだに天気の
いい日は外で作業をするほど元気だが、「年々、ダメに
なってくる」と最近はぼやいてばかり。自分の体や頭の
働きもダメになるし、山も荒れ放題でダメになったと。
動物(特に鹿)が増えたせいで、山に行っても何もない、
山に行く楽しみもなくなったと。
ただでさえ同年代のご近所さんがいなくなって寂しいの
に。最近は、サルを相手に戦うくらい。おばちゃんの嘆
きに相槌をうつ以外、何もできない私であった。
*この子たちがやがて猟犬となって鹿を捕まえてくれる
のか!?