春休みに帰省した際、母の衰えが特にひどく、もう長く
はないのかも知れないなぁと感じた。今も毎日、電話で
話しているが、声が出にくくなって、前のように長話を
することも殆どない。今週の始めには、夢の中で「欲も
得もない境地に至り、このまま死んでも悔いはない」と
話していたところで目が覚めたと教えてくれた。
そうは言っても人の命はわからないもの。山で突然、亡
くなる若者もいれば、実家の母はその後、少し元気を取
り戻したようだ。これまで主治医から「もうダメでしょ
う」と言われたことは少なくとも4回。いま生きているだ
けでも、めっけもの。この時間を、なるべく快適に幸せ
に過ごしてくれたら…と願っている。
今までいろいろ心配かけたし、きついことも言ってきた
けど、今は感謝の気持ちを毎日、母に伝えている。言葉
で言わなくてもわかっていることのはずだけど、何度で
も言葉で言う。言っていいことは、何度だって言う。
昨日、懇談会のあと、珍しく息子とふたりで学校から歩
いて家に帰った。スクールバスに乗るようになるまでは、
こうやって親子で保育園に通園していたのだ。
途中、畑仕事中のおばあちゃんに出会った。当時よく立
ち話をして、たまに野菜やお花をもらったものだ。「S
ちゃん、大きくなったなぁ」と言うおばあちゃんに、息
子は帽子を脱いで近づくと、背比べを始めた。「おばあ
ちゃん、もう腰が曲がって、背がどんどん縮んでるのよ」。
並んでみると、ほぼ同じ。他愛もないことを喋って別れ
を告げると、今度はゲートボール場から老人会の人たちが
手を振ってくれた。この間、ご主人を亡くされたおばちゃ
んも、にこにこ笑って、こっちを見ている。
川のそばの満開の桜を見て、実家の母だけでなく、ここの
おばあちゃん方とも、いつまでともに時間を過ごせるだろ
うか…と考えながら、息子と手をつないで家に向かった。
とてもあったかいまちですねー。
(あえて平仮名で書きたい気分になったのー。)
おばちゃんたちはいい感じなんだけど、おっちゃんたちが・・・。
確か過疎地の専門家も女性が動かないと地域は変わらないとおっしゃっていました。