こちらの心を見透かしたかのように(?)、
きょうは父の顔をちょこっと見るだけにし
ようと思っていたら、お昼前に施設から電話
が入った。今朝から帰宅したいと言い張って、
ひとりで外に出ようとするので目が離せない、
こちらに来てくれないかと。
お昼ご飯を食べたところを訪ねると、父は部
屋には戻らない、家に帰ると言い張って、玄
関の前から動かない。しかも家と言っても、
幼少時代を過ごした家に帰ると言い張るのだ。
いろいろなだめすかして、結局、母の病院に
連れて行った。外に出て、車に乗っただけで
も気分転換になったようだが、母から直接、
説得されて、その場ではなんとか納得してく
れたような…。
施設に戻って休憩させて、また夕方に顔を見
に行くと、「やっと落ち着いて、いま夕飯の
席についたところなので、家族の顔は見せな
い方がいいでしょう」というスタッフの方の
判断で遠くから父の様子を見て、家に帰った。
子どもの慣らし保育をしている気分。いや、
それよりもっと切なく、つらい気分。自分を
父の立場に置き換えて想像するのだが、耳の
遠い96歳の男性が、見知らぬコミュニティに
入ってすぐに適応できたらビックリだ。
母がいつか退院できることを祈って、いまは
辛抱してほしい…(と祈るばかり)。