ananの星占い

先日の日記に書いた通り、私は1980年代後半にパリに留学したのだが、本当はその1、2年後にアメリカに留学するつもりだった。それまでに資金も十分に貯めて、試験など諸々の準備もしようと思っていた。そのとっかかりとして、どこかの留学センターのようなところに資料請求をしたところ、ある日、突然、職場に電話がかかってきた。私が目指していたのと同じようなプログラムが、パリの学校に新設されることになり、現在、学生を募集していると言うのだ。私はそもそもアメリカ留学を考えていて、フランスに興味もなければ、フランス語もできないと答えると、電話口の女性は「アメリカと同じようなプログラムをフランスに作るので、授業はすべて英語ですから問題ないですよ」と言う。しかも、「学校はパリサンジェルマンデプレ地区にあり、日本で言えば表参道みたいな感じかしら」と言われ、パリに憧れたことのない私も心をくすぐられてしまった。

まだ具体的な留学準備をしていない私に、彼女はとりあえず必要書類を提出して、面接にいらっしゃいと畳みかける。その年の10月に開講だから、今から準備すれば大丈夫!と。あまりの急展開に自分でもビックリしたが、事は動き出したら速いのかも…と思い、この流れに身を任すことにした。といっても書類選考&面接を突破しなければいけないのだが。

それでつい、面接に行く直前に私はananの星占いをチェックした。この占い、けっこう当たるとマガジンハウスの友人から聞いていたのだ。その占いによると、その時期の私のラッキーアイテムは「ピカソのプリント」、そしてラッキーカラーは「ウグイス色」。これを見て、私は「やった~!!」と叫びそうになった。

なぜなら、私はその少し前に広島の友人からピカソプリントハンカチをプレゼントされていたのだ。別に誕生日とかの祝い事があるわけでもないのに、あとで聞いてみると、「なぜか、これは厚子ちゃんにプレゼントしなきゃ!」と思って、わざわざ注文して取り寄せた品だという。普通にお店で買えるものではなかったのだ。確かに、私もこれを一目見て、とても気に入っていた。

それから、同じくその頃、私はイヴ・サンローランウグイス色のスーツを購入していた。私はおしゃれに無頓着でお金もあまりかけないタイプなので、ブランドものにあまり興味がなく、ほとんど持っていなかった。ましてサンローランなんて、とんでもない!という状況だったが、当時の職場の近くにサンローランの直営店があり、たまたまセールをやっていたので初めて覗いてみたら、ウグイス色のスーツに「5000円」の値札がついていたのだ! 日本人には好まれない色だったのだろうか。普通のスーツだって5000円ではなかなか買えないと思い、私はサイズをチェックして、即購入! レジでお店のスタッフも、「え? 5000円?」と驚愕していた。(まさか値札を書き間違えたわけじゃないよね!?)

かくして私はサンローランのスーツに、ピカソのプリントハンカチをしのばせて、パリ留学のための面接に挑んだのである。面接官として出てきたのは、私に電話をしてきた女性だったのでびっくりしたが(さらに面接場所も青山だった!)、「私も彼女とパリに行きたい!」と思わせる素敵な方だった。(実際、この方、後にどんどん出世していかれるのだが・・・)

そうして、私はその年の秋に渡仏し、パリサンジェルマンデプレ界隈で暮らし始めた。2年弱のパリ生活は、本当にめくるめく夢のような日々だったのだが、これについてはまたいつか!! 

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