映画『ボヘミアンラプソディ』で蘇る1979年クイーン山口公演の思い出

昨秋の公開以来(日本では2018年11月9日封切)、異例の大ヒットとなっている映画『ボヘミアン・ラプソディ』!
年がバレてしまうけど、まさにクイーン世代の私は公開前からとっても楽しみにしていたこの映画が、予想を上回る出来栄えで大感激した上に、クイーンを知らない世代にも大ヒットというニュースを聞いて、さらに感激。改めてクイーン、そしてフレディ・マーキュリーの偉大さを実感している。

私が広島の田舎町から「どうしても東京の大学に行きたい!」と思ったのは、数々の来日バンドのライヴを見たいという一心からだったのだが、その始まりは中学の夏休みに友達から借りたLP『オペラ座の夜』を聴いた時の衝撃だったと思う。中学入学後にぼちぼち英米のポップスを聴き始めていたものの、衝撃&感動の大きさはクイーンの『オペラ座の夜』(1975年発売の4枚目のアルバム)が一番だった。BCRKISSや、はたまたカーペンターズビートルズの曲は、歌詞カードを見ながら一緒に口ずさめるのに、クイーンの曲は音域的にも英語的にもとてもじゃないけど口ずさめなくて、いつかフレディみたいに歌えるようになりたい…と思ったものだ。

1970年代当時、広島で公演する海外のロックバンドなんて滅多になくて(例外として特筆すべきは1971年に自らの希望で来広したレッドツェッペリン!私はまだ小学生で知る由もなかったけれど)、クイーンも何度も来日したのに広島公演は一度もなし。お隣の岡山、そして山口でも公演があったというのに、中国地方最大の都市である広島で公演ができなかったのはどういう理由なのか、いまだに謎だ。

そして…1979年クイーンの3度目の来日時、まだ高校生だった私は遂に山口で憧れのライヴを体験した。正確な日にちは、1979年5月2日(木)、場所は山口県立体育館。この日は学校の遠足で、私たちの学年は宮島に行き現地解散だったので、クイーン好きの友達数人でそのまま電車で山口まで行ったのだ。友達がとってくれたチケットは、前から3列目だったと思う。しかも私が一番好きなブライアンの前あたり。

バンドのコンサート自体、私にとっては初体験だったが、それまで雑誌で見ていた武道館でのライヴ写真と違い、山口県立体育館のステージは客席からかなり近くて、しかも低い!! クイーンのメンバーがすぐそばに見えそうな勢いで、開演前から私たちは「フレディの唾や汗が飛んできそう!」と盛り上がっていたのだが、そんな私たちよりもさらに大盛り上がりの一団が私たちのすぐ前に座っていた。明らかに岩国の米軍基地から来たと思われる米兵たちが、持ち込み禁止のはずの缶ビールを飲んで、すでにパーティ気分になっていたのだ。

ちょっと嫌な予感がしていたのだが、その予感は的中。ライヴが始まり、私の目の前に立っていたブライアンが、ビール片手に騒ぐ米兵たちを嫌そうな顔で見ると、ツツツツ…とステージの反対側、ジョン・ディーコンの近くに行ってしまい、その後、ほとんど戻ってこなかった。ああ~(涙)。

ところがフレディは、彼らに嫌な顔をするどころか、むしろ喜んでイジってくれた。いま思うと、ああいうマッチョな兵隊さん、好みだったんだろうな~と納得するのだが、フレディはわざわざ彼らに向かって、「Are you IN THE NAVY?」と尋ねたのだ。実はこの頃、アメリカではビレッジ・ピープルというグループが人気で、「In The Navy」という曲がヒットしていた。その前年にも「Y.M.C.A.」という曲を大ヒットさせ、日本でも後に西城秀樹が「ヤングマン」のタイトルで大ヒットさせたのは周知の通り。けれど、これ、実はゲイの歌なのだ。ビレッジ・ピープルは、そもそもニューヨークのグリニッジビレッジのゲイディスコから生まれたグループで、今と違って当時はゲイを前面に出して話題を集めていた。

先ほどのフレディの問いかけに、米兵たちが「NO~!!」などと声をあげて騒ぐと、フレディはすかさず「Do you like YMCA?」とさらにけしかけた。客席の日本人にもわかるような易しい英語で、ゆっくりと。これで米兵も少し静かになり、さすがフレディ…と感心したのを覚えている。

ところで2019年の年明け早々、ブライアン・メイが自身のインスタグラムで、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の埋立工事を県民投票が行われるまで中止することを求めるホワイトハウスの請願」への署名を呼びかけたことがニュースとなった。動物愛護や環境保護に熱心なブライアンらしい行為だとは思うけど、おそらくは工事に至るまでの複雑な歴史や詳しい事情は知らないのでは…とちょっと残念な気持ちに。でも、あの山口公演ブライアンが米兵に向けた視線を思い出すと、仕方ないかも…と思ったり。

ともかくも、あの山口公演は私の人生の中でもいまだに最高の思い出のひとつ。クイーンと同時代に生きて、クイーンの音楽と出会えて、そして生のライヴをあんな小さな(失礼!)会場で見ることができて、私は本当にラッキーだと思う。フレディ、ブライアン、ジョン、ロジャー、ありがとう!!!

*昨秋、紅葉狩に行った柳谷観音楊谷寺。フレディにも見せてあげたかった!!

“映画『ボヘミアンラプソディ』で蘇る1979年クイーン山口公演の思い出” への4件の返信

  1. Queen 山口公演で検索したらヒットしました。紆余曲折して1983年から現在に至るまで山口県内在住ですので興味がありました。私が高校三年生の時にライブがあったようです。当時神奈川県相模原市に在住しロック好きの友人からオペラ座の夜をカセットテープに録音してもらったことを思い出しました。先日映画ボヘミアンラプソディーを観てからAmazon musicやYoutubeで音源を探して懐かしく聴いています。当時はそんなにフアンでもありませんでしたが…ご存知だと思いますが山口公演の音源はYoutubeにありますね。これを機会に主催のTYSテレビ山口に映像或いは音源を掘り起こしていただきたいですね。しばらくQueenで中学時代の思い出に浸りたいです。それでは、通りすがりのおじさんでした。

    1. コメント、ありがとうございます! 私も山口公演の正確な日にちを調べていて、YouTubeに音源があることを発見しました。実は私も当日こっそり録音したのですが、そのテープは行方不明です。(そもそも音質も悪くて、聞けたものではなかったはずですが。)山口公演は、あの日本ツアーの中でも最高の出来というコメントを見かけ、改めてラッキーだったのだと思いました。もし、テレビ山口でクイーン関連で何かあったら、ぜひお知らせくださいね。私もクイーンを聴いて、中高時代の思い出に浸ります!

  2. 私も 山口公演に行きました。
    皆さん状況よく覚えていらっしゃいますね。私は6列目のステージ向かって右側に座っていました。Freddieに夢中で興奮していて詳細には覚えていません。紙テープをFreddieのみに投げてた人覚えてますか?私です。その時Freddieはマラカスを私に投げてくれて今も大事にしています。もう一度ゆっくりdvdみたいですね。

    1. な、なんと!! きっと私たち、近くで見ていたんですね~。紙テープ、懐かしい。そしてフレディのマラカス、羨ましい!! 家宝ですね!!!
      ああ、もう一度、映画見に行かねば…。

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