ポケモンと仏様の世界

ポケモンGOをやりながらも、ポケモンについて殆ど知らない私だが、ポケモンだのだのといろんなタイプに分かれ、しかも第一世代から第七世代までどんどん増えていき、まるで自然界を網羅するような広大な世界を構築している。一応、現時点で807種類ポケモンがいるそうだ!

これって、なんだか仏様の世界に似てないか!? 

夫からの聞きかじりだが、仏様にもレベルがいろいろあって、(大黒天とか)→明王(不動明王とか)→菩薩(観音菩薩とか)→如来(大日如来とか)と分かれていて、如来だけでも3,000あるらしい。

ということは、ポケモン仏様の世界に達するのはまだまだか。これはこれですごい世界、楽しみだ。

*2017年12月22日の記事『ポケモンGOは地方都市の中高年の健康法
*2018年8月27日の記事『進化するポケモンGOのSNS化

神仏の世界への入口(日吉大社の参道)

刑事フォイル

近年、いろいろな英米のドラマを見てきたが(といっても自分の興味をそそるものだけ見ているので、超有名作品で見ていないものもたくさんある)、その中でも秀逸なのが第二次世界大戦前後のイギリスの様子を描いた『刑事フォイル』だ。イギリス南部の海に面したヘイスティングスの街で、愚直なまでに公明正大に生きる刑事フォイルを中心に、戦争下の悲劇や不条理などが描かれる。ヘイスティングスは戦場ではないし、戦闘場面は殆ど皆無にも関わらず、一般の人々が(国籍や人種を問わず)いろいろな意味で戦争に翻弄されている様子が実にうまく描かれている。戦争をいろいろな角度から切り取って見せてくれる脚本家、アンソニー・ホロヴィッツの力が大きいのだろう。

もちろん主役の刑事フォイルを演じるマイケル・キッチンが渋くて、これまた素晴らしい。口をちょこっと歪ませながら話す癖がなんともいえない。いつも冷静で、公平で、趣味といえば川で釣りをすることくらい。マイケル・キッチンを調べてみると、ロバート・レッドフォードメリル・ストリープ主演の『愛と哀しみの果て』(原題:Out of Africa:1985)に出演していたようだ。映画館で見たはずなのに、悲しいかな私は覚えていない。ロバート・レッドフォードよりいい男なのに!!!

刑事フォイル』、今ではNHKのBSでも放送されているようだが、私は字幕版を見たいので、AXNミステリーで見ている。(そう、NHKは英米ドラマの字幕版がまずないので、私は見ることがない! WOWOWも字幕版がないドラマがあるので、とっても残念。基本的に海外モノはどの国のものであっても、字幕で見たいと私は思う。)というか、私はAXNミステリーで放送された『刑事フォイル』の全話を録画して、DVDに焼いて、保存版にしている。その作業が終わったあと、実はしばらくそのDVDをしまったままだった。どのエピソードもすばらしいので、全話を見てしまうと、もう楽しみがなくなってしまうから、その楽しみを引き延ばしていたのだ。しかし、さすがにそれもどうかと思い(だって、次々と面白いドラマが放送されるのだから)、この冬休み中にじっくりと最終話まで見るつもりだ。

刑事フォイル』に限らないが、イギリスのドラマを見ていると、時々、ゲスト出演している有名俳優に出くわすという楽しみがある。アメリカと違って、イギリスのドラマは特に(日本と同じかも知れないが)同じ俳優さんがあちこちに出てくる。『主任警部モース』や『バーナビー警部」、『名探偵ポワロ』等、有名な長寿ドラマに、「あ、あの人が!」という発見はよくある。『刑事フォイル』も、まず第一話(2002)で映画『ゴーン・ガール』(2014)でアカデミー主演女優賞にノミネートされたロザムンド・パイクがゲスト出演している。映画を先に見ていた私は、『刑事フォイル』を見て、ロザムンド・パイクがイギリス人であることを知った。(しかもオックスフォード大学卒の才女!)つい最近見た第22話には、『シャーロック』のモリアーティ役で有名なアンドリュー・スコットが! そうそう、フォイル刑事の息子アンドリューは、『ダウントンアビー』や『パーソン・オブ・インタレスト』で見たことのあるジュリアン・オヴェンデンが演じている。彼は音楽の奨学生としてイートンからオックスフォードへ。イギリスの俳優さんって、高学歴が多い!

刑事フォイル』がこれだけ素晴らしい作品となったのも、俳優陣の演技力はもちろんだけど、やはり脚本の力だろう。アンソニー・ホロヴィッツは『名探偵ポワロ』や『バーナビー警部』も手がけているそうだが、もともとは小説家だそうだ。今度は彼の小説を読んでみなければ。

ちなみに彼が手がけた新作『ニューブラッド 新米捜査官の事件ファイル』(2016)は、それぞれロンドンの重大不正捜査局(Serious Fraud Office)と警察で働く新米捜査官二人が、ひょんなことで知り合って、事件を解決していくという物語。刑事フォイルは正統派イギリス紳士だったが、今回の主役はポーランドとイランの移民2世。時代は移っても、イギリスのドラマは面白い!

BULL/ブル 法廷を操る男

12月5日に『NCIS ~ネイビー捜査班~』について書いたけれど、長年、トニー・ディノッゾを演じたマイケル・ウェザリー主演の新しいドラマ『ブル 法廷を操る男』を我が家でもようやく見始めた。実は第一話を録画し忘れるという大失敗をしてしまい、第二話からのスタート。ディノッゾ好きの夫と子供が、このドラマにはなぜか興味を示さなかったので、私がまずはひとりで見てみたところ、今までにない視点のお話で、かなり面白い。これはぜひ見るべし!と、夫と子供に見せたところ、ふたりとも気に入ってくれた様子。それ以降、このドラマを三人で楽しんでいる。

マイケル・ウェザリー演じる心理学博士ブルが率いるチームは、毎回、クライアントのために、科学に基づいて裁判を有利に導いていくのだが、そのために擬似陪審員を集めたり、いろいろと斬新な手法が披露される。アメリカならではの裁判ドラマだが、単に「勝てばいい」というのではなく、毎回、ちょっとウェットな人間ドラマがあるのもいい。

製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグに加え、「ブル」のモデルでもあるフィル・マッグロウ博士も名を連ねているが、ちょっと調べたところ、「ブル」と違ってマッグロウ博士本人はなかなか問題が多そうな人物である。心理学に基づく自己啓発セミナーで成功し、その後、オプラ・ウィンフリーの訴訟の戦略アドバイスを担当したことで「オプラ・ウィンフリー・ショウ」に出演。それがレギュラー出演に発展し、やがて自分の番組「ドクター・フィル・ショウ」を持ち、ベストセラー本を出し、2015年には年収7千万ドルで、フォーブス誌の「世界でもっとも稼ぐ有名人」の15位にランクインしている。しかし、彼自身も何度も訴えられたり、心理学の手法を批判されたりと、いろいろと問題を起こしている気配。一番ひどいのでは、ダイエット食品を姉たちと売り出し、自分の番組で宣伝していたが、科学的根拠がないのに虚偽の宣伝をしていると集団訴訟をされそうになり、その事業から撤退したようだ。お金が大好きな人なのだろうけど、う~ん、ドラマの「ブル」のイメージが崩れてしまった。ま、現実って、そんなもの!?

ああ、これでまたドラマの世界に現実逃避することに~。

クリスマスタブロー(というかBCR)の思い出

子供が通うミッション系の学校では、毎年、クリスマスタブローが行われる。とても大がかりな行事で、キリスト教の信者でない私も神聖な空気と、真摯な生徒たちの姿と、すばらしい音楽に毎年、感動してしまう。私の母校もミッション系で、毎年、クリスマスタブローがあったのだが、これほど大規模でもなかったし、私自身、積極的に参加したことがなかったので、ぼんやりとしか覚えていない。いや、それどころかクリスマスタブローというと、悲しい思い出が蘇るのだ。

中学2年の頃、スコットランド出身のBCRベイシティローラーズ)というバンドに夢中になった私は、同じくBCRファンの同級生と仲良くなった。その年の12月、彼らが初来日することになり、私たちは大阪公演のチケットをなんとか手に入れた。公演日は2学期の終業式で、しかもそのあとにクリスマスタブローがある。夕方までに大阪に行くためには、終業式のあとすぐに出発するしかない。そこで私たちは、それぞれに理由をつけて早退するつもりだったのだが、あまりにはしゃぎすぎていたのだろうか。その計画がどこからか先生に漏れて、コンサート行きを阻止されてしまったのだ。

そのときのショックと言ったら…。まさに「クリスマスタブロー、うらめしや~」である。入手したチケットは無駄になったけど、私はそのまま自分のBCRアルバムに記念として貼り付けた。結局、BCRは次の来日公演で見ることができたし、私はあの日、早退しなかったお陰で、中高6年間の皆勤賞をもらったので、めでたしめでたしなのだが、一緒にコンサートに行く予定だった友人とは、その後、高校の途中からBCR熱が冷めるのにあわせて疎遠となった。そして社会人になってからの同窓会で、彼女の訃報を聞いた。確か3人のお子さんを残しての、突然の事故死。

彼女が好きだったレスリーには、日本人の奥様がいて、今年もそして来年も来日公演があるらしいのだが、私にはいまBCRについて語り合える人がいないと思うと寂しい限りだ。

ステーキハウスで上沼恵美子

さらにバブル期の思い出をもうひとつ。

当時、東京の外資系企業もバブルに浮かれていたけれど、本国から来ている外国人スタッフに比べたら、私たち日本人スタッフは地味なものだった。といっても、たまに女子グループでお昼休みにタクシーでイタリアンを食べに行ったり、今思うとバブルだなぁと思うことをしていた。日本人上司も高級外車を乗り回していたり、外国人上司たちは金曜のお昼になると、アメリカンクラブ(*会員制の社交クラブ!)にランチに出かけて、午後の遅い時刻に赤ら顔で帰ってくる…なんてことも。会社の年末のパーティは東京湾クルーズで、イブニングドレスで現れた女子もいてビックリ。

私自身はある目的のためにそれまで貯めたお金をほぼ使ってしまったので、かなり地味な生活をしていたと思うが、さすがに新入社員の頃に比べると余裕はあった。それでも、普通に電車で通勤して、高級レストランに行くことも滅多になかった(誰かに誘われない限り)。

なぜか学生時代からの友人は、マスコミ関係、特に出版社に就職した人がたくさんいて、彼女たちに会うと、いつも華やかな空気を感じた。もともと華やかな人たちがマスコミの世界に入るのかも知れないけれど、当時は今と違って(失礼!)本当に華やかだった。お給料の額は知らないけれど、とにかく「経費は使い放題」という感じだった。(実際、どうだったかわからないけれど、少なくとも傍から見ていて。)だから、近所に住んでいた編集者の友達と出かけると、いつも帰りは一緒にタクシーに乗せてもらえた!

そんな編集者の友達にステーキハウスに連れて行ってもらったことがある。おしゃれなホテルのお店でもなく、高級感漂うレストランでもなく、老舗の小さな、地味だけど本当の意味で高級なお店だったのだと思う。なにせ友達は有名作家さん方の接待のために、このようなお店に出入りしていたのだから。

出かけたのは、土曜日の遅めのランチタイム。カウンターだけの小さなお店で、目の前の鉄板でシェフが黙々とステーキを焼いてくれる。こんなお店、私は初めってだったし、どういう理由だったのか、その日は友人とその先輩編集者の方と3人だったので、いつもより緊張していた。一応、私は接待されている方なのに、こちらも接待しなきゃ…となぜか一生懸命、お喋りを始め、いつのまにか、家を出る前に見たばかりのNHKバラティ生活笑百科』での上沼恵美子のトークを再現していたのだ。残念ながら上沼恵美子氏は2013年に番組を降板してしまったが、それまでは毎週、「実家が大阪城」だとか、「フランス生まれ」だとか、荒唐無稽の大ホラ話で視聴者を楽しませてくれていたのだ。その日のネタも、もう覚えていないけど、かなりの爆笑ものだったはずだ。ネタ自体は作家さんが書いているのだが、上沼恵美子が喋るから、あれほど面白いのであって、私では100%再現はできないのだが、それでも友人たちは楽しんでくれた。

さて、トークが終わった頃に出て来たステーキは絶品だった。「生まれて初めて、こんなに美味しいお肉を食べた~」と感激して食べ終えた! すると、ずっと無口だったシェフが最後に、「お客さん、絶対テレビに出た方がいいよ」と私に言うのだ。「え!?」と呆気にとられていると、「さっきの話、ものすごく面白かった!」とおっしゃるので、「いえいえ、だから、さっきの話は本当にテレビでやってた話なんです。それを真似して喋っただけなんです!」と説明したのだが、「いや、それでも出た方がいいよ!」と。

トークの神様、上沼恵美子氏の真似をした私としては、恐れ多くて、そそくさと退散したのを覚えている。そのせいか、いまだにあのお店がどこにあったか、思い出せない。ほんとに美味しかったんだけどなぁ。

シンクロニシティ ~ 小説『テロ』の場合


きょうはちょっとしたシンクロニシティのお話。

高校生の息子が、校内に配布するニュースレターのようなものを編集していて、そこで紹介されている本の著者名が長すぎて、一行におさまりきらず困ったという話をしてくれたらしいのだが、私は(いつものごとく)いい加減に聞き流していて、詳細をまったく覚えていなかった。

ちょうど同じ頃、私がよく見るAXNミステリーチャンネル『裁判劇テロ』という生放送番組の宣伝をしていた。前半の裁判ドラマを見た視聴者が有罪無罪かを投票し、その結果によって後半の判決部分のドラマが放送されるという。いつもは録画した番組をあとで見ていたが、これは面白そうだと気になっていた。

さて、このドラマの放映日、息子が持ち帰ったニュースレターにちらっと目を通しながら、私は夕飯を準備して家族にこう言った。
いつもは録画したドラマを見ているけど、きょうは生放送で見たいドラマがあるの。
そしてAXNミステリーをつけると、東京のスタジオから『裁判劇テロ』の説明が始まった。すると息子が驚いて言うのだ。
お母さん、これだよ、これ!
何がこれかと思ったら、息子が編集していたニュースレターで紹介されていた小説がこれなのだという。
そこで、さっきもらったニュースレターをよく見ると、確かにこのドラマの原作となったドイツの小説が紹介されていた。

『テロ』フェルディナント・フォン・シーラッハ著

こんなマイナーな(失礼!)小説/ドラマが、こんな形でシンクロするなんて。ちょっとした驚きだった。

ついでにドラマの内容を説明しておくと、ドイツ上空でテロリストにハイジャックされた旅客機が、7万人の観衆が集まるサッカースタジアムに突っ込むのを阻止するため、ドイツ空軍のパイロットが旅客機を撃墜。果たしてこのパイロットは有罪なのか、無罪なのか…裁判にかけられる。ドラマでは、視聴者の投票によって裁判結果が決まるのだ。

このドラマは世界各国で放送され、パイロットはどの国でも無罪となったようだが、日本で舞台上演した際には有罪となったらしい。これはかなり特異な例外で、日本独特の価値観なのかと思ったが、AXNミステリーの生放送の結果は他の国々と同じく無罪。スタジオの解説者などは予想外の結果に戸惑ったかも知れないが、私は正直、日本が特異な国でなかったことにほっとした。

これはあくまで私の勝手な推測だけど、日本でこのような舞台を観にいくのは、マスコミ関係者や文化人などを含む団塊世代を中心としたお花畑平和主義者(いわゆる団塊サヨク)が多そうだから、有罪となったのではないだろうか!? 逆にテレビは、ドラマ好きの普通の人たちが見ているはずで、こちらの結果の方が日本の世論に近いのではないかと思う。

とはいえ、有罪無罪と簡単に決められない難しいテーマで、どちらの結果であってもすっきりしないのだけど。

by 鳩胸厚子

ポケモンGOは地方都市の中高年の健康法

去年の夏から始めたポケモンGO、いまもほぼ毎日、続けている。息子は小さい頃からテレビでポケモンを見たり、ポケモンの本を買ったり、映画を見に行ったり、DSのゲームをしていたけれど、私自身はポケモンの詳しいことを知ることもなく、過ごしてきた。ところが現在、息子はスマホも持たず、特にゲームにはまることもなく過ごしているのに、なぜか私が夫につられてポケモンGOを始めてしまった。

近所のポケストップやジムを巡るのが半ば日課のようになり、これが今では私の健康法の一部となっている。「健康のために歩きましょう」と言っても、寒い冬空の下、目的もなく歩くのは辛い。だけど、ポケモンGOをやっていると、つい「もうひとつ先のストップまで行ってみよう」などと頑張ってしまうのだ。このゲーム、いろんなことがよく考えられていて、たとえば、「30分以内に10ヶ所のポケストップを回ると、ボーナスがもらえる」のだ。ただし、10ヶ所はすべて別々の場所で、しかもそれぞれ10分以上の間隔があいてはいけないという条件つき。大都市だとポケストップはそこら中にたくさんあるだろうが、この地方都市ではまばらにしかないので、30分で10箇所回ろうと思うと、かなりスピーディなウォーキングをすることになり、健康的なのだ!

逆に、歩くのは大変だからと、地方では車で移動しながらポケモンGOをやる人も多いはず。私も朝、息子を駅まで車で送る際には、息子にスマホを持たせて、ポケモンGOを代わりにやらせている。お陰で、息子からポケモンのさまざまな情報を教えてもらい、この年になって息子と共通の話題ができたと喜んでいる。

たまに夕飯のあと、夫とふたりでウォーキングがてらポケモンGOに出かけるのも、楽しい習慣となっている。一応、ふたり仲良くやっているけど、互いに対抗心もあり、捕まえたポケモンの種類や経験値などを競い合ったりもする。そんな時、私は息子とタッグを組み、夫と対抗する。

ポケモンGOがどれくらいの人気なのかは知らないけれど、この辺りのポケストップでは中高年層をよく見かける。対戦ゲームの面よりも、毎日、こつこつと続けていくことの面白さ、街に出ていくことの面白さが強調されているゲームなので、確かに若者よりもシニア向けのゲームだと思う。毎日、外を歩くのはもちろんのこと、ポケモンの名前を覚えるのも脳トレになるのだから。

そういえば、高須クリニック高須先生や、岩井志麻子女史や浪速のモーツァルト、キダ・タロー先生ポケモンGOにはまっているというし。さて、私もきょうの一回り、してこよう!

*2017年12月30日の記事『ポケモンと仏様の世界

*2018年8月27日の記事『進化するポケモンGOのSNS化

『ラ・ラ・ランド』


今年のアカデミー賞で史上最多14ノミネートと話題になったミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。我が家は4月の息子の誕生日に映画館まで観に行った。日曜の夕方だったせいか、うちから車で10分の映画館の観客は上映直前まで私たちだけ。(さびれた地方都市ゆえか…)
「息子の誕生日にふさわしく、映画館貸切状態か!?」と期待したが、ぎりぎりで入ってきた観客が2組。それでも、まぁほぼ貸切に近い状態で、このファンタスティックな映画を満喫できた。

5時に夢中』(TOKYO MX)で中瀬ゆかり氏が絶賛していただけあって、ミュージカルはそれほど好きではない私もこんなに楽しめたのは『レ・ミゼラブル』以来だった。とはいっても、『レ・ミゼラブル』のときのようにサントラを買うわけでもなく、時間と共に、この作品のことは忘れていた。

ところが、最近、夫の車に乗ると、それまではたいていFMが流れていたのに、『ラ・ラ・ランド』のDVDが流れているのだ。もちろん、運転中は映像は出ないので音声だけ。夫は何度も何度もこのDVDを聴いているようで、歌ではない部分のわけのわからない音だけ聴いても、「これは○○の場面」などと解説してくれる。私は映画館で一度しか見てないので、細かい場面なんてすっかり忘れているのだが、夫はもともとこういうこともけっこう記憶するタイプで、「これから初めてのデートの場面」とか、「ここで映画のフィルムが燃える」とか、嬉しそうに説明するのだ。その説明を聞いてもまだ私は、「あれ、そんな場面あったっけ?」状態だったのだが。

それでも、このところ夫の車で出かける機会が何度もあり、しかも帰りに家の近くの公園前に駐車してポケモンGOをやったりしていたので、私も『ラ・ラ・ランド』をけっこう聞いて(見て)しまったのだ。そしたら知らない間に、私の心も『ラ・ラ・ランド』に侵食されて、今では頭の中で“Another Day of Sun”が常時、鳴り響いている!!

夫はライアン・ゴズリング演じるセブにかなり思い入れがあるようだ。(セブって、なんだかダサい響きだけど、本当はセバスチャンなのよね。)
セブも、エマ・ストーン演じるミアLAで必死に夢を追いかけて、そしてその結果……これがハッピーエンドなのかはわからないけれど、胸が締めつけられることは間違いない。

それでも“Another Day of Sun”を聴くだけで、明るく元気になれる! 
このところ、気の合う友人たちと3人で、「私たち、どうやって夢を実現しよう!?」と何度も話しているのだが、私も自分の車に『ラ・ラ・ランド』をセットしなきゃ…と思ってる。

by 鳩胸厚子

となりのイスラム


入院中、お見舞いに来てくれた友人にもらった本の中に、この『となりのイスラム』があった。私が仕事でイスラム圏の方々とやりとりしたことを話していたからだろう。まさに私が知りたかったことが満載で、あっという間に楽しく読み終えた。ムスリムの方々の日常生活って、具体的に想像できなかったのが、この本でだいぶわかってきた感じ。下半身の毛を剃るとか、へぇ~!!っとビックリする話もあり、まさに「所変われば」である。

仕事では複数国のムスリムの方々とやりとりをしたが、中でもシリアの方と親しくなり、今でもたまにメッセージのやりとりをしている。そんなこともあって、余計にイスラムについて興味を持っているのだ。シリアはずっと雨が降っていないらしく、人為的な紛争だけでなく、自然界からも過酷な仕打ちを受けているようで、胸が締め付けられる。それでも神を信じ続けるって、すごいなぁと素直に思う。

ちなみに息子の学校の世界史の先生も、この本を薦めていたそうだ。

by 鳩胸厚子

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ヨガとエアロビクス、そして妄想

一年間の契約で派遣仕事をしている間、ほぼジムに通えなかった。契約終了と同時に体調を崩して入院した際に、リハビリとしてベッドでもできる簡単な体操を教えてもらった。今では以前と同じく、なるべく週2回、ジムに通っているが、毎朝、病院のリハビリで教えてもらった体操も15分ほどやっている。継続は力なり、と言い聞かせて。

ジムでは、ヨガとエアロビクスのクラスに通っている。たぶん参加者は全員、私より年上だと思う。高齢者向けのゆる~いクラスが、私にはちょうどいいのだ。ほどよく動いて、ほどよく汗をかいて、ほどよく疲れて…というのが気持ちいい。

そして何よりも、ここに来ると、湖の景色に心癒されるのだ。しかし回りを見ると年上のおばさま方、おじさま方ばかりだし、鏡に映る自分の姿も明らかに「おばちゃん」。

そこで、私はしばし妄想に浸る。

私は鳩胸厚子ではなく、たとえば…そう、アメリカのドラマ『メンタリスト』のテレサ・リズボンなのだと。そして、窓の向こうの湖畔には、パトリック・ジェーンがいるのだと。

リズボンがヨガをしているシーンは見たことないけど、確かヴァンペルトリズボンの誕生日にヨガマットをプレゼントしていたことから始まった私の勝手な妄想。ここはカリフォルニアなのだと思うと、目の前の湖も太平洋に見える!

フィジカルな運動はもちろんだけど、メンタルな妄想も、ストレスフリー生活の大切なポイントです!

by 鳩胸厚子

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