スニッファー ウクライナの私立探偵

昨日は「」のお話だったので、きょうは「」のお話。

AXNミステリーで以前から何度も放送されてきた『スニッファー ウクライナの私立探偵』を今、ようやく見ている。正直言うと、今までは宣伝を見ても興味をそそられなかったのだが、何度も再放送をしている(ような気がする)し、NHKでもリメイクされたドラマが人気みたいだし、これは本当に面白いドラマなのかも…と思うに至ったのだ。

なぜ今まで避けてきたかと言えば、基本的には英語のドラマの方が好きというのがひとつ。字幕を見ながら英語のセリフを聞くのは勉強になるし、英語の響き自体が心地よい。もちろんフランス語やその他の言語のドラマを時々見るのも楽しいのだが、ウクライナは今までまったく縁がない国なので特に関心がもてなかった。それから、これは私の勝手な偏見だけど、東欧のドラマは暗そう…というイメージがあった。

今までAXNミステリーで、アイスランドフィンランドスイスドイツのドラマも見たけれど、どれもアメリカのドラマのような明るさはなかった。しかし、それよりもさらに暗かったのは、ポーランドチェコのドラマだった。いや、別に暗くてもいいんだけどね。ストーリーは面白かったし、景色もよかったし、俳優さんも上手だったし、歴史や文化が感じられて深みのある内容だったけど、重苦しい雰囲気と、あまりにシリアスなテーマに見ている側も心が重くなった…。戦争共産党時代の暗い影、そして民族の歴史…。どちらも現代のドラマだったのに、過去の呪縛から抜けられない息苦しさを、見ている私まで味わってしまったのだ。

そしてアメリカのドラマとの大きな違いは、なんといっても会話の少なさ。しかもジョークがない! いや、ジョークもどきはたまにあるけど、私からすると「これがジョーク!?」という信じられないレベルだったり。でも嫌いじゃない、こういうドラマも。人間味を感じるし。ただヘヴィーだから、心の準備をしてから見たいというか、見る時を選んでしまう。

そんなわけで敬遠していたウクライナのドラマだけど、ついに一挙放送を録画して、まもなくシーズン2を見終わるところ。で、宣伝の通り、このドラマ、とっても面白い! 各国で放送され、リメイク続出というのも納得。ストーリーは、嗅覚が異常に発達している通称スニッファー(本名は不明)という私立探偵が、特別捜査官のビクトルに協力して事件を捜査して解決に導くというものなのだけど、各エピソードにタイトルはないし、舞台はどこなのか、主人公たちはどういう人なのか、細かい情報は一切なし。

ウクライナについて何も知らない私は、スニッファーが住んでいる都市がキエフなのかすら、わからない。でも、よく聞くと、「スパシーバ」と言ってるような。で、調べてみると、このドラマはロシア語で制作されていた! ロシアドイツの政府間で絵画の引渡しをするエピソードがあったので、舞台は一応、ロシアなのだろうか!? スニッファーの相棒のビクトルも、最初は警察の刑事かと思っていたら、肩書きが「大佐」で、所属も普通の警察とは違う捜査機関のようなのだが、そもそもの前提知識がないのでよくわからない。

スニッファー自身は(おそらく)その嗅覚のおかげで大金持ちとなっていて、高級外車に乗り、豪華マンションにひとりで住んでいるのだけど、その住まいも、そして別れた妻の住まいも、そしてビクトルのオフィスも、どれもえらくモダンでしかも無機質きわまりない。生活感のない不思議な空間なのだ。なのに、たまに出てくる軍の施設などは老朽化して、ぼろぼろで、旧ソ連時代を彷彿とさせる。

この不思議な雰囲気はウクライナならではの世界なのだろうか!? 事件はかなり残忍で悲惨だったりして、さすが旧ソ連というヤバさなのに、ドラマ自体は暗くなっていないのが、これまた不思議。登場人物のキャラクターに救われているのだろうか。あくまで冷静で、面白みのないタイプのスニッファーと、女好きでちょっとだけ軽薄な、でもめちゃくちゃ強そうなビクトルの正反対コンビがなんとも言えない。めちゃ仲がいいわけではないのに、お互いを尊重していて、信頼しているのが伝わってくる。ベタベタしないけど、仲がいい。距離を置いてるけど、信頼しているという人間関係が、まさにこの無機質な空間にマッチしている。

気がついたら、決して美男ではないビクトルウィンク姿を愛らしいと感じ、スニッファーとほほな表情に心安らぐ私がいた。なんだ、魅了されているではないか。それが証拠に、ドラマのテーマ曲が頭にこびりつき、「うーふー!」と叫んでいたりする。ヤバい、ヤバい。でも、これ、見て損はないですよ。

ちなみにウクライナのことが気になって調べてみたら、ウクライナ語ロシア語はよく似た言語で(オランダ語ドイツ語のように)、ウクライナの人はロシア語も普通に話すらしい。(旧ソ連なのだから当然だけど)。ロシア人も、ウクライナ語は話せなくても、聞けばかなり理解できるようだ。ウクライナ独立後は、ウクライナ語が公用語となったが、ウクライナ人であってもいまだに家の中でもロシア語を使う人は多いそうだ。(それだけロシアの影響が大きいのね。)なので、特に若い人の間では、愛国心が強くても、ウクライナ語が苦手という人たちもいるらしい。(けっこう複雑。)このドラマを見ながら、息子が「ロシアの起源は実はウクライナだからね」と教えてくれた。いまのロシアウクライナベラルーシにまたがるキエフ公国キエフ・ルーシ)がロシアの始まりだと。なるほど、複雑なわけだ…。

ドラマがきっかけで、いろいろ勉強したくなるきょうこの頃。うーふー!

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