今さらながらの『ツインピークス』


*毎朝、我が家にやって来るスズメたち。

アメリカで1990年に放送されて大ヒットとなったデヴィッド・リンチ監督のドラマ『ツインピークス』。日本でも、特におしゃれな業界人などの間で話題になっていたと記憶している。実は私が念願の転職を果たして、初めて翻訳したのが『ツインピークス』でローラ・パーマーを演じたシェリル・リーのインタビューだった。なのに私は、この作品を見ていなかったのだ。

でも、この最初の翻訳仕事は印象に残っている。「人間は、社会的に自分が置かれたポジションをわかっている。大抵の人間はそこまで強くないので、そのポジションに対して社会が期待するとおりの人間になろうとする」というようなことを、シェリル・リーが話していたのだ。なんとも深い話ではないか。よほどシリアスな物語なのか…と思って、私はツインピークスを敬遠したのだろうか。

その『ツインピークス』の放送が、先日からWOWOWで始まった。今回はしっかり録画して、家族全員で見ているところ。息子も昨夏、アメリカ研修中にデヴィッド・リンチのことを知り、興味を持ったらしい。まだ全30話の半ばまでしか見ていないのだが、私の感想は一言。

「ツインピークスって壮大なコメディだったのね!」

娘のローラが殺されて嘆き悲しむ母、そして父の姿は、あまりに異常すぎて、私は声を出して笑ってしまった・・・。ツインピークスは架空の町だが、ワシントン州のカナダ国境に近い場所という設定のようだ。この町全体の少しとち狂った感じ、どこかで見た気がする…と思ったのだが、これって、ニルヴァーナカート・コバーンの狂気の世界に似ているような…。彼もまた、ワシントン州の小さな町の出身だった。

う~む、これはかなり深くてシリアスなコメディなのかも。

*まもなくツインピークスの25年後を描いた『ツインピークス The Return』の放送も始まる。これには、NINトレント・レズナーも出演するとか。うう…楽しみ。

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