妄想くん

息子は幼い頃から妄想たくましく、いつも頭の中で物語を考えては、ひとり想像の世界で楽しく過ごしていた。保育園の頃はもっぱらバトル系の物語が脳内にうずまき、ひとりで時々「シュワッ」とか「ブギューン」などと擬音を発しながら、部屋の中を動き回っていた。ノートにつたない文字で物語のようなものも書いていた。(根気が続かず完成しなかったけど)。

小学校入学後も相変わらずで、妄想タイムが始まると、隣の部屋に消えて、ぐるぐると歩き回る。部屋の中をぐるぐる歩きながら、頭の中で物語が進行していくらしい。「今ね、265話まできてるんだ」などと言われ、驚いたことがある。すべては頭の中のことなので、最初の方の物語はすっかり忘れているのだろうが。

この習慣は今も続いている。ここに引っ越して来て、2階に自室ができたにも関わらず、普段は1階の食卓で勉強をする息子。人の気配を感じたいのだろう。しかし、ときたまふっと2階に上がり自室に篭ることがある。妄想タイムだ。2階からぐるぐると歩き回る足音がする。まったく・・・。

先日も帰宅後、おやつを食べていた息子が突然、「ヒラタカズヒロ」と言って、ふっと笑った。てっきり学校の友達だと思い、「何があったの、ヒラタくんと? クラスの子?」と尋ねると、「いや、違う」。じゃあ、誰なのかと質問すると、今、構想を練っている小説の主人公だという。30代のIT系企業のサラリーマンだとさ。おやつを食べながら、妄想かよ・・・。大丈夫か、わが息子。

しかし、私が変なことを教えてしまった。今では自分のPCを駆使する息子だが、なぜかワードの文書作成はしたことがなかったらしい。「受験生に小説を書く時間はないだろうから、構想だけでもメモ程度に書き留めておけば?」と、ついワードの使い方を教えてしまったのだ。おかげで、息子は最近、勉強が一段落つくと、ワードを熱心に打ち込んでいる。どうやら小説のネタ帳に留まらず、実際に書き始めたものもあるらしい。(見せてくれないけど)。とりあえず複数のお話が頭の中で練られているようだ。

受験生のくせに、妄想大爆発の日々を送る息子。ちょっと心配です。(ああ、きょうも2階から足音が・・・!)

*先日の帰省時に奮発して、息子とレストランへ!(実は商品券を使ったのさ!)
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