スコットランドの思い出(2)

近所の小学生の女の子に、「最近、学校で何が流行ってるの?」と訊いたら、「みんなで怖い話をすること!」と答えが返ってきた。それでふと、スコットランドでの出来事を思い出した。

昼間はひとりで勝手に行動していた私だけど、夜は日本人グループのみんなと一緒に過ごしていた。私たちの宿泊先は、夏休みで学生がいなくなった大学の寮。広い敷地内の古い館で、泊り客も少なかったせいもあり、夜になるとし~んとして、不気味な雰囲気だった。だもんで、夜はみんなでひとつの部屋に集まって、なんだかんだお喋りしていたのだが、だんだん夜も更けてくると、誰からともなく怖い話が始まった。周囲の雰囲気も怪談にはもってこいだったこともあり、どんどんと話が盛り上がり、私たちの恐怖心も高まってくる。

ふと、みんなが静かになった瞬間に、変な音が聞こえてきた。ぴっちゃん、ぴっちゃん・・・と、何かのしずくが垂れる音。床に丸くなって座っていた私たちは、まわりをきょろきょろ。すると、そばのデスクから何かの液体がしたたり落ちているではないか。しかも、暗くてよくわからないけど、赤っぽい色だ。

思わず、「きゃ~っ!」と全員が叫んだ。「なに、これ~?」と、恐怖におののく私たち。
すると、ひとりがデスクの上に倒れていたビニールの袋を持ち上げた。「これだったみたい」。
なんとそれは、きゅうりのキューちゃんだった! 

その部屋に泊まっていたメンバーが、日本から持ってきたきゅうりのキューちゃんを食べかけのまま、デスクの上に置いていたのが倒れちゃったみたいです。

情けないけど、これがアイドルの実家に行ったことの次に鮮明に心に残っているスコットランドの思い出なのでした。(だって、本当に怖かったんだもん。)

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