今朝、早い時刻に母の病室を訪ねると、隣のベッドの方が
母の横に座って、涙ながらにお喋りをしている最中だった。
いろいろ悩みのある方らしく、別れを惜しんで、最後にお
喋りをされていたようだ。
他にも先日まで同室だった方々と別れの挨拶をしたり、一
足先に退院された方からカードが残されていたり、入院生
活の中で自然にコミュニティができていたようだ。
さて、レンタカーで本当に久々に母とのドライブ。転院先
に到着すると、昨日の電話通りに母の手伝いをしてくださ
っていた女性もちょうど同時にやってきて、ふたりで荷物
を運んで、病室の準備。母はまず検査と医師の診察を受け、
病室に移ると看護士さんより詳しい聞き取り調査。あらゆ
るスタッフの方が、とっても丁寧で、親切で、優しくて、
明るくて(平林都さんの接遇の研修を受けたのかと思うほ
ど!)、こちらの緊張&不安もほどけてきた。
その後、別室にて私は新しい主治医の先生(&婦長さん)
と面談。母の心臓はもう末期的状況にあることを改めて説
明された。前の病院でも聞いていたし、この春以降の母の
様子を見て覚悟もしていたので、気持ちの動揺はなかった
のだが、私は思わず泣いてしまった。なぜなら、ここの方
々が母をやさしく受け入れてくださったことで、本当に安
堵したから。「本当はもっと母のそばにいたいのですが、
遠くに住んでいてそうもいかず。広島を離れたときから、
こうなることはわかっていのですが。だから、ここに入れ
てよかったです、よろしくお願いします」と泣いてしまっ
たのだ。
主治医の先生は私より若い女性で、婦長さんは私よりちょ
っと年上の女性。私の気持ちも、しっかり受け止めてくだ
さった。あとで婦長さんが、「うちの母も、何度もよくな
ったり悪くなったりを繰り返して、似たような状況でね。
妹は遠くに住んでいて、しょっちゅう帰れなくて。だから
気持ちがわかるのよ。娘がしょっちゅう帰れない分、私が
お母さんをちゃんとみてあげるからね」と言ってくださっ
た。
怒りや悔しさで流れる涙は、交感神経が関係していて、悲
しみや嬉しさで流れる涙は、副交感神経が関係しているそ
うだ。成分も違い、前者はしょっぱく、後者はうす味(?)
だとか。いずれにせよ、涙はストレス物質を排出してくれ
るらしい。
たぶん私も緊張がほどけた安心感から、どっと涙が出たの
だろう。ストレスを吐き出したせいか、その後はすっきり
と心から笑顔になれた。きれいな心の人たちに囲まれると、
こちらの心も洗われるようだ。
*その後、母が「家を見せてもらっておいで」と言うので
新興住宅地の新居を訪ねた。